機械設計技術者試験とは
機械設計に関する知識や技術力を認定する民間資格です。機械の構造、材料、加工、力学、製図、機械要素、制御、流体、熱など、機械設計に必要な幅広い知識が問われます。
資格区分は、1級、2級、3級に分かれています。1級は実務経験を積んだ機械設計技術者向け、2級は一定の設計実務経験がある人向け、3級は機械設計を学ぶ学生や若手技術者向けの区分です。級が上がるほど、設計実務での応用力や課題解決力が重視されます。
製造業、機械メーカー、設備メーカー、自動車関連、産業機械、設計事務所、CADオペレーターから設計職を目指す人などに向いている資格です。国家資格ではありませんが、機械設計分野の基礎力や実務力を示しやすく、技術者としてのスキル確認やキャリア形成に役立つ資格といえます。
機械設計技術者試験の基本情報
| 資格種別 | 民間資格 |
| ジャンル | 保安・技術 |
| 資格区分 | 1級、2級、3級 |
| 受験資格 | 1級・2級は学歴や機械設計に関する実務経験などにより異なる。3級は実務経験不要で、学生でも受験可能 |
| 試験日程 | 年1回。例年11月ごろに実施 |
| 試験方法 | 筆記試験。1級は記述式と小論文、2級はマークシート方式と記述式、3級はマークシート方式で実施 |
| 免除科目 | なし |
| 試験場所 | 全国の指定試験地。実施年度により異なる |
| 受験料 | 1級:33,000円(税込)/2級:22,000円(税込)/3級:8,800円(税込) |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 一般社団法人 日本機械設計工業会 |
機械設計技術者試験の試験日
2025年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 11月16日 | 7月18日~10月10日 | 1月上旬予定 |
機械設計技術者試験の試験内容
機械設計技術者試験は、機械や装置の設計に必要な知識・計算力・応用力を確認する民間資格試験です。1級・2級・3級に分かれており、1級は基本設計や設計管理を行う技術者、2級は計画設計を行う技術者、3級は詳細設計の補佐や機械設計の基礎知識を身につけた人を対象としています。
出題範囲
1級では、設計管理、機械設計の基礎課題、環境・安全、実技課題、小論文が出題されます。基本仕様の決定、構想、設計実務に関わる計算、管理者として必要な知識など、実務経験を前提とした内容です。
2級では、機械設計、力学、熱・流体、材料・加工、メカトロニクス、環境・安全、応用・総合が出題されます。機械や装置の機能・構造・機構を具体化するための計画設計に必要な知識が中心です。
3級では、機構学・機械要素設計、機械力学、制御工学、工業材料、材料力学、流体・熱工学、工作法、機械製図など、機械設計の基礎分野が出題されます。
試験科目と出題数
1級は3時限で実施されます。第1時限では設計管理関連課題、機械設計基礎課題、環境経営関連課題が記述式で出題されます。第2時限では実技課題として、設計実務に関わる計算問題などが出題され、5問中3問を選択して解答します。第3時限では小論文が出題され、テーマを1つ選んで記述します。
2級も3時限で実施されます。第1時限では機械設計分野、熱・流体分野、メカトロニクス分野、第2時限では力学分野、材料・加工分野、環境・安全分野が出題されます。第3時限では応用・総合が記述式で出題されます。
3級は2時限で実施されます。第1時限では機構学・機械要素設計、流体工学、工作法、機械製図、第2時限では材料力学、機械力学、熱工学、制御工学、工業材料が出題されます。3級は全科目マークシート方式です。
合格基準
機械設計技術者試験の合格基準は、公式には具体的な点数や正答率として公表されていません。合否は各級の試験結果に基づいて判定され、不合格者は科目別の10段階評価表を確認できます。
機械設計技術者試験の受験者数・合格率
1級
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年 | 143人 | 60人 | 42.0% |
| 2024年 | 162人 | 53人 | 32.7% |
| 2023年 | 143人 | 52人 | 36.4% |
| 2022年 | 142人 | 47人 | 33.1% |
| 2021年 | 148人 | 56人 | 37.8% |
2級
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年 | 589人 | 276人 | 46.9% |
| 2024年 | 560人 | 247人 | 44.1% |
| 2023年 | 574人 | 234人 | 40.8% |
| 2022年 | 629人 | 268人 | 42.6% |
| 2021年 | 621人 | 256人 | 41.2% |
3級
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年 | 1,678人 | 898人 | 53.5% |
| 2024年 | 1,763人 | 900人 | 51.0% |
| 2023年 | 1,838人 | 865人 | 47.1% |
| 2022年 | 2,049人 | 780人 | 38.1% |
| 2021年 | 2,110人 | 910人 | 43.1% |
機械設計技術者試験の難易度
機械設計技術者試験は、機械工学や設計実務の基礎がある人であれば取り組みやすい一方、初学者には専門範囲の広さで難しさを感じやすい試験です。3級は基礎知識が中心ですが、2級・1級になるほど設計実務に近い判断力や応用力が求められます。
この試験では、機械力学、材料力学、熱力学、流体力学、機械材料、機械要素、加工法、製図、設計管理など、機械設計に関わる知識を幅広く扱います。特定の分野だけ得意でも対応しにくく、機械工学全体をバランスよく理解しておく必要があります。
初学者が苦労しやすいのは、計算問題と設計の考え方です。強度、応力、荷重、軸、歯車、ねじ、軸受、ばねなどは、公式を覚えるだけでなく、どの部品にどのような力がかかり、どのように設計へ反映するのかを理解する必要があります。
また、上位級では、単なる知識確認だけでなく、設計者として適切に判断する力も重要になります。材料の選定、加工方法、コスト、安全性、保守性、品質などを考慮する必要があり、実務で機械設計に関わっている人ほど内容を理解しやすいでしょう。
機械メーカー、設計事務所、製造業、設備設計、CAD設計、生産技術などに関わっている人は、実務経験を活かしやすい資格です。一方で、機械工学を体系的に学んだ経験が少ない人は、四力学や機械要素、製図・加工法を幅広く整理する必要があり、級が上がるほど学習負担は大きくなります。
機械設計技術者試験の勉強法
3級では、機械設計の基礎知識が中心になります。機械製図、材料力学、機械材料、加工法、機械要素などをバランスよく確認し、基本用語や計算問題に慣れておくことが大切です。
2級以上では、より実務的な設計知識や応用力が求められます。強度計算、軸・歯車・ねじ・ばね・軸受などの機械要素、加工精度、公差、材料選定などは重点的に復習しておきましょう。
計算問題は、公式を覚えるだけでなく、実際に手を動かして解く練習が必要です。荷重、応力、たわみ、トルク、伝達動力、熱や流体に関する基本計算は、問題演習を通じて解き方を身につけておくと安心です。
機械設計技術者試験は、機械系の知識を総合的に確認する試験です。基本的には、テキストで基礎を固め、過去問や問題集を繰り返し解き、材料力学・機械要素・製図・加工法・設計計算を重点的に復習する勉強法がおすすめです。
機械設計技術者試験のお勧めテキスト
3級 機械設計技術者試験 過去問題集 -令和5年度/令和4年度/令和3年度-
日本機械設計工業会が編集した、3級向けの公式問題集です。令和5年度・令和4年度・令和3年度の過去問題を収録しており、機械設計の基礎知識や出題形式を確認できます。3級を受験する人の仕上げ教材として使いやすい一冊です。
機械設計技術者のための基礎知識
機械設計技術者試験の学習に使いやすい基礎テキストです。機械要素、材料力学、機械力学、制御、加工、製図など、機械設計に必要な基礎分野を幅広く確認できます。過去問題に入る前の土台作りに向いています。
資格を活かせる仕事
機械メーカー、自動車関連メーカー、産業機械メーカー、工作機械メーカー、家電メーカー、設備メーカー、プラント関連企業、設計会社、CADオペレーター、機械設計補助、生産技術、製造技術などがあります。特に、部品設計、機械装置の設計、強度計算、材料選定、図面作成、試作・評価、製造現場との調整に関わる仕事では、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。
機械設計では、CADを使えるだけでは不十分です。部品にどのような力がかかるのか、どの材料を使うべきか、加工しやすい形状になっているか、組み立てやすいか、安全性や耐久性に問題がないかなど、設計者としての判断力が求められます。そのため、機械設計の基礎を体系的に学んでいることは、設計職や技術職で役立ちます。
この資格は、機械設計分野では専門性を示しやすい資格です。特に、学生や若手技術者が設計の基礎力を示す材料として活用しやすく、実務経験と組み合わせることで評価されやすくなります。上位級であれば、機械設計に関する理解度をより強くアピールできます。
一方で、機械設計技術者試験だけで就職・転職が大きく有利になるというよりは、設計実務、CADスキル、製図力、材料や加工の知識、現場経験と組み合わせて活かす資格です。技術士、CAD利用技術者試験、機械保全技能士、品質管理検定などと組み合わせることで、機械設計・製造技術分野でより活かしやすくなるでしょう。

