義肢装具士試験 – 難易度・合格率・試験日など

目次

義肢装具士試験とは

義肢装具士として働くために必要な国家資格を取得するための試験です。義肢装具士は、医師の指示のもとで、義手、義足、コルセット、サポーター、装具などを採型・採寸し、利用者の身体や生活状況に合わせて製作・適合を行う医療専門職です。

試験では、医学、工学、義肢装具学、リハビリテーション医学、解剖学、生理学、運動学、材料学、製作技術、関係法規など、義肢装具士に必要な幅広い知識が問われます。身体機能を補う器具を扱うため、医療的な理解だけでなく、ものづくりの技術や利用者に合わせた調整力も重要になります。

合格後は義肢装具士名簿に登録され、義肢装具製作所、病院、リハビリテーション施設、福祉機器関連企業、スポーツ支援分野などで働くことができます。身体機能の補助や社会復帰を支える専門職として、医療・福祉・ものづくりの要素をあわせ持つ資格です。

義肢装具士試験の基本情報

資格種別国家資格(業務独占資格)
ジャンル医療・心理
資格区分なし
受験資格文部科学大臣指定の学校、または都道府県知事指定の義肢装具士養成所で必要な知識・技能を修得した者・修得見込みの者、外国の義肢装具に関する学校・養成所を卒業した者、または外国で義肢装具士に相当する免許を取得し、厚生労働大臣の認定を受けた者など
試験日程年1回。例年2月ごろに実施
試験方法筆記試験
免除科目なし
試験場所東京
受験料59,800円
登録・更新合格後、義肢装具士名簿に登録することで義肢装具士免許を取得。義肢装具士免許自体に定期更新制度はありません
問い合わせ公益財団法人 テクノエイド協会
関連資格介護福祉士
作業療法士
理学療法士
臨床工学技士

義肢装具士試験の試験日

2026年度試験

試験日申込期間合格発表
2月20日1月5日~1月19日3月26日

義肢装具士試験の試験内容

義肢装具士として必要な医学・工学・義肢装具に関する専門知識を確認する国家試験です。試験は多肢選択式で行われ、一般問題と実地問題で構成されます。

出題範囲

出題範囲は、臨床医学大要、義肢装具工学、義肢装具材料学、義肢装具生体力学、義肢装具採型・採寸学、義肢装具適合学などです。臨床医学大要には、臨床神経学、整形外科学、リハビリテーション医学、理学療法・作業療法、臨床心理学、関係法規なども含まれます。

義肢や装具の構造・機能、材料の性質、人体の運動や荷重、採型・採寸、適合評価、リハビリテーションとの関係など、医療と工学の両面から出題されます。

試験科目と出題数

試験は一般問題と実地問題で構成されます。一般問題は1問1点、実地問題は1問2点で採点され、合計130点満点です。

直近の合格発表では、一般問題と実地問題を合わせて100問が出題され、一般問題70問、実地問題30問の構成とされています。実地問題では、義肢装具の適合や評価、症例に応じた判断など、実務に近い内容が問われます。

合格基準

合格基準は、総得点で6割程度です。一般問題を1問1点、実地問題を1問2点、合計130点満点とし、78点以上が合格基準とされています。

義肢装具士試験の受験者数・合格率

年度受験者数合格者数合格率
2026年186人150人80.6%
2025年186人133人71.5%
2024年194人154人79.4%
2023年200人162人81.0%
2022年181人124人68.5%

義肢装具士試験の難易度

養成課程で学んできた人にとっては合格を目指しやすい国家試験です。ただし、医学・工学・製作技術・リハビリテーションを横断して理解する必要があり、単なる暗記だけでは対応しにくい分野もあります。

この試験では、解剖学、生理学、運動学、病理学、リハビリテーション医学、義肢装具学、材料学、製作技術、採型・適合、歩行分析、関係法規などが問われます。義足や義手、装具の名称を覚えるだけでなく、身体機能や障害の状態に合わせて、どのような義肢装具が適しているかを理解することが重要です。

つまずきやすいのは、人体の動きと装具・義肢の機能を結びつけて考える部分です。切断部位、麻痺、関節変形、筋力低下、歩行障害などによって必要な補助や支持が変わるため、疾患や障害像を読み取り、装具の目的や構造を判断する力が求められます。

また、材料や製作工程に関する知識も軽視できません。プラスチック、金属、カーボン、皮革などの材料特性、採型、陽性モデル修正、アライメント、適合確認など、実技で学んだ内容を知識として整理しておく必要があります。製作手順を覚えるだけでなく、なぜその調整が必要なのかを理解しているかが問われます。

養成校での授業や臨床実習を積み重ねてきた人であれば、極端に難しい試験ではありません。一方で、医学的知識、運動学、義肢装具の構造、材料・製作技術を横断して考える必要があるため、苦手分野を残していると得点が安定しにくい試験です。

義肢装具士試験の勉強法

解剖学、生理学、運動学、整形外科学、リハビリテーション医学、義肢装具学、材料学、製作技術、関係法規などを幅広く学ぶことが大切です。まずは、身体の構造や関節運動、歩行の仕組みを整理し、義肢や装具がどのように身体機能を補い、生活動作を支えるのかを理解していくと学習しやすくなります。

勉強を進める際は、教科書の知識だけでなく、実習で扱った採型、適合、アライメント調整、材料加工などの工程と結びつけて覚えることが効果的です。義手、義足、下肢装具、体幹装具、靴型装具などは、それぞれの目的、構造、適応、注意点をセットで整理しておくと混同しにくくなります。

また、義肢装具士試験では、疾患や障害の特徴に合わせて、どのような義肢・装具が必要になるかを判断する力も求められます。切断レベル、麻痺、変形、疼痛、歩行障害などを理解し、装具の種類や補助機能、調整方法と関連づけて学ぶと実践的に整理しやすくなります。材料の特性や耐久性、皮膚トラブル、安全性に関する知識も、実務に直結するため丁寧に確認しておく必要があります。

過去問演習では、正解だけを覚えるのではなく、なぜその義肢や装具を選ぶのか、なぜその調整が必要なのかまで確認することが大切です。直前期は、義肢装具の構造、歩行分析、整形外科疾患、リハビリテーション、法規などの頻出分野を中心に復習すると効果的です。知識を「身体機能」「障害の状態」「義肢・装具の役割」「適合と調整」の流れで整理すると、試験本番でも応用しやすくなります。

資格を活かせる仕事

義肢装具製作会社、病院、リハビリテーション病院、整形外科、福祉用具関連会社、補装具製作所、スポーツ用義足や小児用装具を扱う分野などがあります。特に、患者の身体の状態に合わせた義肢や装具の製作、装着時の調整、医師や理学療法士・作業療法士との連携、歩行や日常生活を支える補助具の提案などでは、資格を直接活かすことができます。

義肢装具士は、医療とものづくりの両方に関わる専門職です。利用者の身体に合わない義肢や装具は、痛みや動作のしにくさにつながるため、医学的な知識だけでなく、採寸・成形・素材・加工技術・調整力が求められます。利用者の生活や目標に合わせて、実際に使いやすい形へ仕上げる力も重要です。

就職・転職においては、義肢装具やリハビリテーション分野に直結する資格として実用性があります。一方で、活かせる職場は医療・福祉・補装具関連に限られるため、一般企業で幅広く評価される資格ではありません。実務では、製作技術、患者対応、医療職との連携、細かな調整を行う手先の器用さなども重視されます。

義肢装具士試験は、身体に障害や不自由がある人の生活を、装具や義肢の面から支えたい人に向いています。免許取得後も、義足、義手、整形外科装具、小児装具、スポーツ用義肢、福祉用具などの分野で経験を積むことで、専門性を高めやすくなるでしょう。

資格を広めてくれると嬉しいです!
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