臨床工学技士試験とは
臨床工学技士として働くために必要な国家資格を取得するための試験です。臨床工学技士は、医師の指示のもとで人工呼吸器、人工心肺装置、血液浄化装置、心臓カテーテル関連機器などの生命維持管理装置を操作し、医療機器の保守点検にも関わる医療専門職です。
試験では、医学概論、臨床医学総論、医用電気電子工学、医用機械工学、生体物性材料工学、生体機能代行装置学、医用治療機器学、医用機器安全管理学など、医学と工学の両方に関する知識が問われます。医療機器を正しく扱う技術だけでなく、患者の安全を守るための判断力や管理能力も重要になります。
合格後は臨床工学技士名簿に登録され、病院、クリニック、透析施設、医療機器メーカー、保守管理会社などで働くことができます。医療機器の高度化が進む中で、医療現場の安全を支える専門性の高い資格です。
臨床工学技士試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(業務独占資格) |
| ジャンル | 医療・心理 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | 文部科学大臣指定の学校、または厚生労働大臣指定の臨床工学技士養成所で必要な知識・技能を修得した者・修得見込みの者、外国の臨床工学技士に関する学校・養成所を卒業した者、または外国で臨床工学技士に相当する免許を取得し、厚生労働大臣の認定を受けた者など |
| 試験日程 | 年1回。例年3月ごろに実施 |
| 試験方法 | 筆記試験 |
| 免除科目 | なし |
| 試験場所 | 北海道、東京都、大阪府、福岡県 |
| 受験料 | 30,800円 |
| 登録・更新 | 合格後、臨床工学技士名簿に登録することで臨床工学技士免許を取得。臨床工学技士免許自体に定期更新制度はありません |
| 問い合わせ | 公益財団法人医療機器センター |
| 関連資格 | 診療放射線技師 臨床検査技師 理学療法士 臨床心理士 |
臨床工学技士試験の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 3月1日 | 12月1日~12月19日 | 3月26日 |
臨床工学技士試験の試験内容
臨床工学技士として必要な医学・工学・医療機器に関する知識を確認する国家試験です。試験はマークシート方式で行われ、生命維持管理装置、医用機器、人工呼吸、血液浄化、体外循環、医療安全など、臨床工学業務に関する幅広い内容が出題されます。
出題範囲
出題範囲は、医学概論、臨床医学総論、医用電気電子工学、医用機械工学、生体物性材料工学、生体機能代行装置学、医用治療機器学、生体計測装置学、医用機器安全管理学などです。出題基準では、臨床工学技士として必要な知識と技能を確認するため、医学系科目と工学系科目、医療機器の運用・安全管理に関する内容が整理されています。
人工呼吸器、人工心肺装置、血液浄化装置、除細動器、ペースメーカ、各種モニタなど、生命維持管理装置や医療機器の原理・構造・操作・保守点検に関する知識も重要な範囲です。
試験科目と出題数
試験科目は、医学概論、臨床医学総論、医用電気電子工学、医用機械工学、生体物性材料工学、生体機能代行装置学、医用治療機器学、生体計測装置学、医用機器安全管理学です。
出題数は全180問で、午前・午後に分けて実施されます。各問題はマークシート方式で、臨床工学に必要な基礎知識から、医療機器の安全な使用・管理に関する判断力まで幅広く確認されます。
合格基準
合格基準は、総得点の6割程度です。全180問の場合、108点以上が合格の目安になります。採点除外などがある場合は満点や基準点が変わることがありますが、基本的には全体で6割程度の得点が求められます。
臨床工学技士試験の受験者数・合格率
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2026年 | 2,396人 | 1,573人 | 65.7% |
| 2025年 | 2,598人 | 2,049人 | 78.9% |
| 2024年 | 2,630人 | 2,090人 | 79.5% |
| 2023年 | 2,706人 | 2,311人 | 85.4% |
| 2022年 | 2,603人 | 2,096人 | 80.5% |
臨床工学技士試験の難易度
養成課程で学んできた人にとっては合格を目指しやすい国家試験です。ただし、医療系資格の中でも工学・機器管理・生命維持管理装置に関する知識が多く、理系分野に苦手意識がある人は難しさを感じやすい試験です。
この試験では、医学概論、臨床医学、医用電気電子工学、医用機械工学、生体物性材料工学、生体機能代行装置学、医用治療機器学、医用機器安全管理学などが問われます。医療の知識だけでなく、電気回路、流体、圧力、センサー、人工心肺、人工呼吸器、血液浄化装置など、医療機器を安全に扱うための工学的な理解が必要になります。
つまずきやすいのは、医学と工学を結びつけて考える部分です。たとえば、人工呼吸器では呼吸生理と機器設定、血液浄化では腎機能と透析条件、人工心肺では循環生理と装置管理をあわせて理解する必要があります。単に機器名や操作手順を覚えるだけではなく、患者の状態と機器の働きを関連づけて判断する力が求められます。
また、医用機器の安全管理も重要な分野です。漏れ電流、接地、アラーム、保守点検、感染対策、トラブル時の対応など、医療現場で事故を防ぐための知識が問われます。電気や機械の基礎が曖昧な人は、装置の仕組みや安全管理の理解で負担を感じやすいでしょう。
養成校での授業や臨床実習を積み重ねてきた人であれば、極端に難しい試験ではありません。一方で、出題範囲は広く、医学・工学・機器管理を横断して理解する必要があるため、苦手分野を残していると得点が安定しにくい試験です。
臨床工学技士試験の勉強法
医学的な基礎知識に加えて、医用工学、電気・電子工学、生体計測、医療機器、人工呼吸器、人工心肺、血液浄化、関係法規などを幅広く学ぶことが大切です。まずは、人体の仕組みと医療機器の働きを分けて覚えるのではなく、機器がどのような目的で使われ、患者の生命維持や治療にどう関わるのかを結びつけて整理すると学習しやすくなります。
勉強を進める際は、教科書の知識だけでなく、実習で扱った機器の構造や操作手順、安全管理と関連づけて覚えることが効果的です。人工呼吸器、人工心肺装置、透析装置、心電図、除細動器、輸液ポンプなどは、それぞれの原理、使用目的、注意点、トラブル時の対応をセットで整理しておくと理解が深まりやすくなります。
また、臨床工学技士試験では、医療機器を安全に扱うための知識が重要になります。電気安全、感染対策、保守点検、アラーム対応、医療ガス、法規などは、実務にも直結するため後回しにせず確認しておきたい分野です。工学系の計算問題や回路、圧力、流量、濃度に関する問題は苦手になりやすいため、公式を覚えるだけでなく、過去問を使って実際に解く練習を重ねる必要があります。
過去問演習では、正解だけを覚えるのではなく、なぜその装置設定が必要なのか、なぜその異常が起こるのかまで確認すると応用しやすくなります。直前期は、血液浄化、呼吸療法、循環補助、医用工学、安全管理などの頻出分野を中心に復習し、苦手な計算問題や機器の原理を重点的に見直すと効果的です。医療機器を「仕組み」「操作」「安全管理」「患者への影響」の流れで整理すると、試験本番でも判断しやすくなります。
資格を活かせる仕事
病院、大学病院、透析クリニック、総合病院の手術室・集中治療室・透析室、医療機器メーカー、医療機器販売会社、医療機器の保守管理会社などがあります。特に、人工透析、人工呼吸器管理、人工心肺装置の操作、手術室やICUでの医療機器管理、医療機器の点検・保守に関わる仕事では、資格を直接活かすことができます。
臨床工学技士は、医療と工学の両方の知識を活かして、医療機器を安全に使用できるよう支える専門職です。医師や看護師と連携しながら、患者の治療に必要な機器を正確に操作・管理するため、機械への理解だけでなく、医療現場での判断力やチーム医療への対応力も求められます。
就職・転職においては、医療機器を扱う病院や透析施設で実用性の高い資格です。特に透析医療では臨床工学技士の需要があり、病院によっては手術室、集中治療室、心臓カテーテル室、内視鏡室など、幅広い部門で活躍できます。
一方で、資格を取得しただけでどの現場でもすぐに高度な機器操作を任されるわけではありません。実務では、医療機器の操作経験、保守点検、トラブル対応、患者対応、医師・看護師との連携、緊急時の判断力なども重要になります。
臨床工学技士試験は、医療機器を通じて医療を支えたい人に向いています。免許取得後も、透析、人工心肺、集中治療、呼吸療法、医療機器安全管理などの分野で経験を積むことで、専門性を高め、仕事の幅を広げやすくなるでしょう。
受験者の口コミ評判
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活躍できる場は多い
4.0 さむらい 30代会社員
専門学校に通いながら、自宅では過去問を中心に勉強。問題数の割に試験問題が多いので、要点だけをまとめて出来るだけ早く問題を解くことを意識しながら勉強しました。
取得を目指すきっかけは、元、人の命に関わる医療の仕事に興味があったのもありますが、NHKで放射能や放射線量についてのニュースがやっていてそこから明確に臨床検査技師になりたいと思いました。
臨床工学技士は、臨床工学技士法 で定められており免許を取得しなければ業務を行うことができません。臨床工学技士の勤務先としては、病院がほとんどですが、医療機器メーカーや他医療施設以外で勤務する臨床工学技士も存在します。他の医療資格に比べて活躍できる場所は多いと思います。(2019年7月)


活躍できる場は多い