薬剤師国家試験とは
薬剤師として働くために必要な国家資格を取得するための試験です。薬剤師は、医薬品の調剤、服薬指導、薬歴管理、医薬品の適正使用、副作用や相互作用の確認などを通じて、患者の安全な薬物治療を支える専門職です。
試験では、物理、化学、生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務など、薬剤師に必要な幅広い知識が問われます。単に薬の名前や作用を覚えるだけでなく、患者の状態に応じた薬物療法の判断や、医療安全に関する理解も重要になります。
合格後は薬剤師名簿に登録され、薬局、病院、ドラッグストア、製薬会社、行政、研究機関、医薬品卸、在宅医療などで働くことができます。医薬品を扱う専門職として、正確な知識と責任が求められる資格です。
薬剤師試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(業務独占資格) |
| ジャンル | 医療・心理 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | 大学で薬学の正規課程を修めて卒業した者・卒業見込みの者、外国の薬学校を卒業した者または外国で薬剤師免許を取得した者で、厚生労働大臣の認定を受けた者など |
| 試験日程 | 年1回。例年2月ごろに2日間実施 |
| 試験方法 | 筆記試験 |
| 免除科目 | – |
| 試験場所 | 北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、徳島県、福岡県など |
| 受験料 | 6,800円(収入印紙代) |
| 登録・更新 | 試験合格後、薬剤師名簿への登録することで業務を行うことが可能。新規は4年、それ以降は3年ごとの更新が必要。 |
| 問い合わせ | 管轄する地方厚生局又は地方厚生支局所在地 |
| 関連資格 | 登録販売者 薬学検定 美容薬学検定 診療報酬請求事務能力認定試験 |
薬剤師試験の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 2月21日・2月22日 | 1月5日~1月15日 | 3月25日 |
薬剤師試験の試験内容
薬剤師として必要な知識・技能・判断力を確認する国家試験です。試験はマークシート方式で実施され、必須問題、一般問題の薬学理論問題、一般問題の薬学実践問題で構成されます。
出題範囲
出題範囲は、物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務などです。基礎薬学から医療薬学、薬事関係法規、薬剤師実務まで幅広く問われます。
必須問題では、薬剤師として最低限必要な基本知識が問われます。薬学理論問題では、各分野の専門知識や理論的な理解が問われ、薬学実践問題では、臨床や薬局・病院業務を想定した実践的な判断力が確認されます。
試験科目と出題数
試験は全345問で構成されます。必須問題は90問、一般問題のうち薬学理論問題は105問、薬学実践問題は150問です。科目としては、物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務から出題されます。
必須問題は基本事項を短時間で確認する内容、薬学理論問題は専門知識の理解を問う内容、薬学実践問題は症例や実務場面に基づいて薬剤師としての判断力を問う内容です。
合格基準
合格には、全問題の得点、必須問題の得点、禁忌肢問題選択数のすべてで基準を満たす必要があります。直近の合格基準では、全問題の得点が基準点以上であること、必須問題で全体の70%以上かつ各科目で30%以上得点すること、禁忌肢問題の選択数が2問以下であることが条件とされています。
全体の合格基準点は年度ごとに変動するため、固定点ではなく、その年の試験結果に基づいて示されます。必須問題で基準を下回った場合や、禁忌肢問題を一定数以上選択した場合は、総得点が高くても不合格になる点が特徴です。
薬剤師試験の受験者数・合格率
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2026年 | 12,774人 | 8,749人 | 68.49% |
| 2025年 | 13,310人 | 9,164人 | 68.85% |
| 2024年 | 13,585人 | 9,296人 | 68.43% |
| 2023年 | 13,915人 | 9,602人 | 69.00% |
| 2022年 | 14,124人 | 9,607人 | 68.02% |
薬剤師試験の難易度
医療系国家資格の中でも学習量が多い試験です。薬学部で6年間学んだ人が受験する試験であり、合格率だけを見ると極端に低い試験ではありませんが、受験者の前提知識が高いことを考えると、簡単な試験とはいえません。
この試験では、物理、化学、生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務など、薬学に関する幅広い知識が問われます。薬の名前や作用を覚えるだけでなく、疾患ごとの治療方針、副作用、相互作用、投与設計、服薬指導まで関連づけて理解する必要があります。
特に難しく感じやすいのは、基礎科目と臨床科目を結びつけて考える部分です。薬理作用を知っていても、患者の検査値や既往歴、併用薬を踏まえて適切な薬物治療を判断できなければ、実践的な問題で迷いやすくなります。計算問題も出題されるため、濃度、投与量、薬物動態、調剤に関する基本的な計算力も必要です。
また、必須問題では、薬剤師として最低限必要な知識を確実に得点することが求められます。医療安全、法規、倫理、実務に関する内容も重要で、専門知識だけでなく、薬剤師として患者に安全に関わるための判断力が問われます。
薬学部での学習や実務実習を積み重ねてきた人であれば、十分に合格を目指せる試験です。一方で、出題範囲が非常に広く、暗記量も多いため、苦手科目を残していると得点が安定しにくくなります。基礎薬学、医療薬学、法規・実務を横断して理解できるかが、難しさにつながる試験です。
資格侍合格率だけを見れば高い水準ですが、薬剤の大学で6年間みっちり薬学の勉強をしてからじゃないと、受験資格すら得ることができないので、かなりの覚悟が必要です。
薬剤師試験の勉強法
物理・化学・生物などの基礎科目から、薬理、薬剤、病態・薬物治療、衛生、法規・制度・倫理、実務まで幅広く問われるため、早い段階から計画的に学習を進めることが大切です。まずは、薬の作用機序、体内動態、副作用、相互作用など、薬剤師として必要になる基本知識を整理していくと学習しやすくなります。
勉強を進める際は、教科書を細かく読み込むだけでなく、国家試験の過去問や問題集を軸にして、出題されやすい分野を確認することが効果的です。特に、薬理と病態・薬物治療は関連づけて覚えることが重要で、疾患ごとの治療薬、作用、副作用、禁忌、服薬指導のポイントをセットで整理すると理解が深まりやすくなります。
また、計算問題や法規、衛生、実務は後回しにすると苦手になりやすい分野です。薬物動態、濃度計算、投与量計算などは、公式を暗記するだけでなく、問題演習を通して使い方に慣れておく必要があります。法規や制度は似た用語が多いため、制度の目的や現場での使われ方と結びつけて覚えると混同しにくくなります。
直前期は新しい知識を増やしすぎるよりも、過去問、模試、苦手分野の復習を中心にして、得点できる問題を確実に取る学習に切り替えると効果的です。間違えた問題は、単に正解を覚えるのではなく、なぜその選択肢が正しいのか、ほかの選択肢がなぜ誤りなのかまで確認することで、試験本番でも応用しやすくなります。
資格を活かせる仕事
調剤薬局、病院、ドラッグストア、製薬会社、医薬品卸、行政機関、保健所、研究機関、治験関連企業、学校薬剤師、在宅医療に関わる業務などがあります。特に、処方せんに基づく調剤、患者への服薬指導、副作用や飲み合わせの確認、薬の在庫管理、医師や看護師との連携などでは、薬剤師免許を直接活かすことができます。
薬剤師は、医薬品を安全かつ適正に使うための専門職です。高齢化や在宅医療の広がりにより、薬局や病院だけでなく、地域医療の中で患者の薬物治療を支える役割も大きくなっています。ドラッグストアでは、調剤業務に加えて一般用医薬品の相談販売や健康相談に関わることもあります。
就職・転職においては非常に実用性の高い資格です。薬剤師免許がなければできない業務があるため、医療系資格の中でも仕事に直結しやすい資格といえます。一方で、勤務先によって求められる能力は異なり、病院ではチーム医療や専門知識、薬局では患者対応や在宅対応、ドラッグストアでは接客力や店舗運営の理解も重要になります。
薬剤師国家試験は、薬の専門家として医療や健康を支える仕事に就くための入口となる試験です。免許取得後も、認定薬剤師、専門薬剤師、在宅医療、がん薬物療法、感染制御、漢方、OTC医薬品などの分野で知識を深めることで、さらに仕事の幅を広げやすくなるでしょう。
受験者の口コミ評判
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在宅医療や専門性の高い仕事が多い
5.0 ゆう 20代会社員

20代後半の薬局薬剤師4年目になります。
在宅医療では施設で10人以上の患者さんを受け持っています。
患者さんの容態を観察したり服薬指導を行い医師や看護師、ケアマネに報告書を書いたりもします。
また、抗がん剤や医療用麻薬の処方もあり副作用の確認や服薬状況の確認なども行っています。
給料は地方の田舎勤務ですが500万くらいあります。
認定薬剤師資格については3種取得しています。
責任もあり大変なこともありますがやりがいのある仕事だと思います。
将来性は地方でむしろ薬剤師は不足しており初任給で月40万を越える職場もあります。
化学が得意な人は薬剤師も視野にいれて将来を考えると良いと思います。
(2021年5月)


バリバリ働ける資格ではない
2.0 なつ 20代会社員

1年前に薬剤師の資格を取得しました。現在調剤薬局に勤めており月収は基本給で24万円です。
他の職種に比べると待遇は良いですが、先輩の話を聞いていると給料の上げ幅が小さい様で、年齢が上がるにつれて他の職種に追いつかれてしまう場合が多いようです。
これから薬剤師を目指している人には酷な言い方かもしれませんが、現在、調剤薬局は都市部に関しては飽和状態です。
薬のネット販売が始まると更に飽和状態の加速化は進んでいくでしょう。パートでお小遣い程度の収入で働くのであればオススメできますが、免許を活かしてバリバリ働くのであればオススメできません。(2019年5月)


今後待遇は低くなる
2.5 勝也 30代会社員

薬剤師になるためには、大学の薬学部6年制学科を卒業しなければいけませんので、それなりの投資が必要です。現役薬剤師です。一見薬剤師と言えば高収入で待遇も良いと思われるかもしれませんが、実際は違います。
収入は医者の半分~1/3程度だし、仕事内容も医師の家来みたいなものです。看護師にも舐められ病院の中でもかなり地位の低いポジションなのは間違いありません。薬剤師の数も年々増えているので、今後も待遇は低くなるでしょう。(2018年12月)


厳しい状況になる
2.5 田中 40代会社員

今まで一般用医薬品のみを扱っていた薬店が薬剤師を必要としなくなる所も多くなりますので、需要と供給のバランスが完全に崩れています。今後も薬剤師にとって厳しい環境になると思います。と言っても他の仕事に比べるとまだまだ待遇が良いし女性に優しい職種だと思います。(2018年9月)

