コンピュータサービス技能評価試験とは
パソコンを使った実務処理能力や、情報セキュリティに関する知識を評価する公的資格試験です。職業能力開発促進法に基づく職業能力評価の一環として実施されており、仕事で必要となるコンピュータ活用能力を確認する試験として活用されています。
試験は、文書作成能力を問うワープロ部門、表計算ソフトの活用力を問う表計算部門、IT社会で必要な知識を問う情報セキュリティ部門の3部門に分かれています。ワープロ部門と表計算部門は1級・2級・3級、情報セキュリティ部門は単一等級で実施されています。
合格者には、部門に応じてワープロ技士・表計算技士・情報セキュリティ技士の称号が与えられます。受験資格に制限はなく、パソコン操作を学んでいる学生や職業訓練の受講者、事務職を目指す人、Word・Excelなどを仕事で使う社会人にも向いている試験です。
実務を想定した内容になっているため、単なる知識確認だけでなく、職場で使える文書作成力や表計算処理能力、情報を安全に扱うための基本知識を身につけたい人に役立つ資格といえるでしょう。
コンピュータサービス技能評価試験の基本情報
| 資格種別 | 公的資格 |
| ジャンル | IT・パソコン |
| 資格区分 | ワープロ部門、表計算部門、情報セキュリティ部門 |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 認定施設・実施団体により異なる |
| 試験方法 | ワープロ・表計算は実技試験中心。1級は実技+筆記。情報セキュリティ部門はCBT方式・四肢択一式 |
| 免除科目 | なし |
| 試験場所 | 認定施設、教育訓練施設、事業所、CBT会場など |
| 受験料 | ワープロ・表計算は1級9,070円、2級7,810円、3級6,450円/情報セキュリティ部門6,450円 |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 中央職業能力開発協会 |
| 関連資格 | パソコンインストラクター資格認定試験 Word文書処理処理技能認定試験 Excel表計算処理技能認定試験 MOS検定 |
コンピュータサービス技能評価試験の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 7月5日(日) | 5月11日~5月22日 | 7月17日 |
| 12月6日(日) | 9月28日~10月9日 | 12月18日 |
コンピュータサービス技能評価試験の試験内容
試験部門は「ワープロ部門」「表計算部門」「情報セキュリティ部門」の3つです。ワープロ部門と表計算部門は1級・2級・3級に分かれており、情報セキュリティ部門は単一級で実施されています。合格者には、部門に応じて「ワープロ技士」「表計算技士」「情報セキュリティ技士」の称号が与えられます。
出題範囲
ワープロ部門
文書作成ソフトを使い、ビジネス文書の作成、文字入力、編集、表作成、書式設定、レイアウト調整などの技能が問われます。実務で使える文書を、正確かつ見やすく作成できるかが評価されます。
表計算部門
表計算ソフトを使い、表の作成、数式・関数の設定、データ集計、グラフ作成、帳票作成などの技能が問われます。1級では、表計算ソフトの機能に加えて、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、情報活用に関する知識も出題されます。
情報セキュリティ部門
情報セキュリティの基本、ウイルス対策、不正アクセス対策、パスワード管理、個人情報保護、ネットワーク利用時の注意点など、ITを安全に使うための知識が問われます。
試験科目と出題数
ワープロ部門と表計算部門は、2級・3級が実技試験、1級が実技試験と筆記試験で実施されます。情報セキュリティ部門は筆記試験のみです。
ワープロ部門の試験時間は、1級が実技60分・筆記20分、2級が60分、3級が50分です。表計算部門は、1級が実技90分・筆記20分、2級が60分、3級が45分です。情報セキュリティ部門は60分で実施されます。
合格基準
ワープロ部門・表計算部門は、原則として100点満点中70点以上で合格です。ただし、1級には筆記試験の最低合格点が設定されています。また、表計算部門2級は各課題でそれぞれ10点以上、かつ合計70点以上が必要です。
情報セキュリティ部門は、100点満点中80点以上が合格基準です。
コンピュータサービス技能評価試験の受験者数・合格率
ワープロ部門
| 年度 | 級 | 受験申請者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | 1級 | 144名 | 142名 | 84名 | 59.2% |
| 2025年度 | 2級 | 4,257名 | 4,222名 | 3,383名 | 80.1% |
| 2025年度 | 3級 | 8,537名 | 8,438名 | 7,697名 | 91.2% |
| 2025年度 | 合計 | 12,938名 | 12,802名 | 11,164名 | 87.2% |
表計算部門
| 年度 | 級 | 受験申請者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | 1級 | 119名 | 119名 | 56名 | 47.1% |
| 2025年度 | 2級 | 3,694名 | 3,641名 | 2,992名 | 82.2% |
| 2025年度 | 3級 | 9,085名 | 8,968名 | 8,221名 | 91.7% |
| 2025年度 | 合計 | 12,898名 | 12,728名 | 11,269名 | 88.5% |
情報セキュリティ部門
| 年度 | 級 | 受験申請者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | 単一等級 | 1,085名 | 1,072名 | 983名 | 91.7% |
全部門総計
| 年度 | 受験申請者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | 26,921名 | 26,602名 | 23,416名 | 88.0% |
コンピュータサービス技能評価試験の難易度
受験資格がなく、パソコンスキルを身につけたい人であれば幅広く受験できる試験なので、ハードルはそれほど高くありません。文書作成や表計算など、実務で使うパソコン操作が中心になるため、普段からパソコンを使っている人であれば比較的取り組みやすい資格です。
ただし、実技試験があるため、知識を覚えるだけでは合格しにくい点には注意が必要です。操作手順を理解していても、実際に時間内で正確に作業できなければ得点につながりにくいため、パソコン操作に慣れていない人は少し難しく感じるかもしれません。
一方で、難関資格というほどのレベルではありません。基本操作を繰り返し練習し、出題形式に慣れておけば、初学者でも十分合格を目指せる試験です。
総合的に見ると、コンピュータサービス技能評価試験は、パソコンの実務スキルを確認するための取り組みやすい資格です。実技に慣れる必要はありますが、きちんと練習すれば十分チャレンジしやすい試験といえるでしょう。
コンピュータサービス技能評価試験の勉強法
ワープロ部門では、文字入力、文書作成、表作成、編集、レイアウト調整などの正確さが求められます。表計算部門では、表の作成、計算式、関数、グラフ、データ処理など、Excelの基本操作をしっかり身につけておくことが大切です。
勉強法としては、テキストを読むだけでなく、実際にWordやExcelを操作しながら練習することが重要です。問題集の課題を繰り返し解き、指定された条件どおりに文書や表を作成できるようにしておきましょう。
実技では、正確さだけでなくスピードも必要になります。最初は時間を気にせず丁寧に作業し、慣れてきたら試験時間を意識して練習すると、本番でも落ち着いて対応しやすくなります。
独学でも十分に対策できますが、パソコン操作に不安がある方は、パソコン教室や職業訓練校などを利用するのも一つの方法です。基本的には、練習問題を繰り返し解き、実際に手を動かして操作に慣れることが合格への近道です。
資格を活かせる仕事
企業での認知度がそれほど高くないため、就職や転職で大きなアピール材料になるとは言いにくい資格です。履歴書に記載しても、採用担当者が資格の内容を詳しく知らない可能性があり、資格名だけで評価される場面は限られるでしょう。
活かせる場面としては、関連する分野の基礎知識を確認したい場合や、現在の仕事に関する理解を深めたい場合が中心です。未経験からその分野を目指す際に、学習意欲を示す材料にはなりますが、採用の決め手になるほどの強さは期待しにくいです。
また、試験の難易度がそれほど高くない場合、専門性を証明する資格としてはやや物足りない面があります。スキルアップを目的に取得する場合でも、より実務に直結する資格や、企業認知度の高い資格とあわせて取得した方が効果的です。
そのため、この資格は就職・転職で有利になる資格というより、知識の整理や入門的な学習のための資格と考えるとよいでしょう。仕事で活かしたい場合は、資格そのものよりも、学んだ内容を実務でどう活用できるかを説明できるようにしておくことが大切です。

