キャリアコンサルタント試験とは
キャリアコンサルタント試験とは、就職・転職・職業生活設計など、働く人のキャリア形成を支援する専門家を目指すための国家資格試験です。職業能力開発促進法に基づいて実施されており、厚生労働大臣の登録を受けた試験機関が試験を行います。
試験は学科試験と実技試験に分かれており、実技試験は論述試験と面接試験で構成されています。学科試験と実技試験は個別に受験することも可能で、両方に合格したうえでキャリアコンサルタント名簿に登録することで、「キャリアコンサルタント」と名乗ることができます。
キャリアコンサルタントは、相談者の職業選択や能力開発、職業生活設計に関する相談に応じ、助言や支援を行う役割を担います。学校、企業、人材紹介会社、ハローワーク、就労支援機関など活躍の場は幅広く、働き方の多様化やキャリア形成支援の重要性が高まる中で、注目されている資格の一つです。
キャリアコンサルタント試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(名称独占資格) |
|---|---|
| ジャンル | 事務・ビジネス・経営 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | 厚生労働大臣が認定する講習を修了した人、一定の実務経験がある人、または技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験・実技試験のいずれかに合格している人などが対象です。受験資格の確認は細かいため、申請前に公式の受験案内で確認する必要があります。 |
| 試験日程 | 年3回程度実施 |
| 試験方法 | 学科試験と実技試験で構成されています。学科試験は四肢択一式、実技試験は論述試験と面接試験です。面接ではロールプレイと口頭試問が行われます。 |
| 免除科目 | 技能検定キャリアコンサルティング職種の合格状況などにより、学科試験または実技試験が免除される場合があります。免除の可否は受験区分によって異なるため、受験申請時に確認が必要です。 |
| 試験場所 | 全国の主要都市などで実施されます。試験会場は実施回や受験する登録試験機関によって異なります。 |
| 受験料 | 学科試験は8,900円、実技試験は29,900円です。両機関共通の受験料として案内されています。 |
| 登録・更新 | 試験合格後、キャリアコンサルタント名簿への登録を行うことで「キャリアコンサルタント」を名乗ることができます。登録を継続するには5年ごとの更新が必要で、更新には所定の更新講習の受講などが求められます。 |
| 問い合わせ | 日本キャリア開発協会 |
| 関連資格 | キャリアコンサルティング技能検定 人材測定コンサルタント 労働衛生コンサルタント 中小企業診断士 |
キャリアコンサルタント試験の日程
2026年度試験
キャリアコンサルティング協議会
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 第32回:学科・実技論述 2026年7月5日(日) 実技面接 2026年7月10日(金)・11日(土)・12日(日)・18日(土)・19日(日)・20日(月) | 2026年4月10日(金)~4月21日(火) | 2026年8月20日(木) |
| 第33回:学科・実技論述 2026年11月1日(日) 実技面接 2026年11月7日(土)・8日(日)・13日(金)・14日(土)・15日(日)・21日(土)・22日(日) | 2026年8月17日(月)~8月28日(金) | 2026年12月16日(水) |
| 第34回:学科・実技論述 2027年3月7日(日) 実技面接 2027年3月12日(金)・13日(土)・14日(日)・20日(土)・21日(日)・22日(月)・27日(土)・28日(日) | 2026年12月11日(金)~12月22日(火) | 2027年4月20日(火) |
日本キャリア開発協会(JCDA)
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 第32回:学科・実技論述 2026年7月5日(日) 実技面接 2026年7月11日(土)・12日(日)・18日(土)・19日(日) | 2026年4月10日(金)~4月24日(金) | 2026年8月20日(木) |
| 第33回:学科・実技論述 2026年11月1日(日) 実技面接 2026年11月7日(土)・8日(日)・14日(土)・15日(日) | 2026年8月17日(月)~8月31日(月) | 2026年12月16日(水) |
| 第34回:学科・実技論述 2027年3月7日(日) 実技面接 2027年3月13日(土)・14日(日)・20日(土)・21日(日) | 2026年12月9日(水)~12月23日(水) | 2027年4月20日(火) |
キャリアコンサルタント試験の内容
キャリアコンサルタント試験は、相談者の職業選択、職業生活設計、能力開発などを支援するために必要な知識と実践力が問われる国家資格です。試験は「学科試験」と「実技試験」に分かれており、学科試験ではキャリアコンサルティングに関する理論、制度、法律、支援方法などの知識が問われます。
実技試験は「論述試験」と「面接試験」で行われます。論述試験では、事例記録を読んで設問に記述式で解答します。面接試験では、受験者がキャリアコンサルタント役となり、相談者役とのロールプレイを行い、その後に口頭試問を受けます。
キャリアコンサルタント試験は、登録試験機関である「キャリアコンサルティング協議会」と「日本キャリア開発協会」によって実施されています。学科試験は両機関で共通問題ですが、実技試験は実施機関によって評価区分などに違いがあります。
出題範囲
職業能力開発促進法その他関係法令
職業能力開発促進法を中心に、キャリアコンサルタントとして活動するうえで関係する法令や制度の知識が問われます。キャリア形成支援、職業能力開発、労働市場、雇用政策などに関する基本的なルールを理解しておく必要があります。
キャリアコンサルティングの理論
キャリア形成や職業選択に関する理論、カウンセリング理論、発達理論など、相談支援の土台となる知識が問われます。相談者の状況を理解し、適切な支援につなげるために、主要な理論の考え方や特徴を整理しておくことが大切です。
キャリアコンサルティングの実務
相談場面で必要となる面談技法、問題把握、目標設定、支援方針の立て方など、実践的な内容が問われます。相談者の話を聴くだけでなく、自己理解、仕事理解、意思決定、方策実行までを支援する流れを理解しておく必要があります。
キャリアコンサルティングの社会的意義
キャリアコンサルティングが社会の中でどのような役割を持つのかが問われます。個人の職業生活設計を支援するだけでなく、企業内の人材育成、再就職支援、若年者支援、女性・高齢者・障害者など多様な人への支援にも関わる資格であることを理解しておく必要があります。
キャリアコンサルタントの倫理と行動
キャリアコンサルタントとして守るべき倫理、守秘義務、相談者への尊重、自己研鑽、専門家としての姿勢などが問われます。相談者に大きな影響を与える立場であるため、知識や技法だけでなく、支援者として適切に行動できるかも重要なポイントです。
試験科目と出題数
学科試験は、四肢択一のマークシート方式で行われます。出題数は50問、試験時間は100分、100点満点です。
実技試験は、論述試験と面接試験で構成されます。論述試験は記述式で、事例記録を読んで設問に解答します。面接試験は、ロールプレイと口頭試問で行われ、受験者がキャリアコンサルタント役となって相談場面に対応します。
キャリアコンサルティング協議会の場合、論述試験は50分、面接試験は20分で、ロールプレイ15分、口頭試問5分です。日本キャリア開発協会も学科試験と実技試験で構成され、学科試験は共通問題として実施されます。
合格基準
学科試験の合格基準は、100点満点中70点以上です。50問出題されるため、1問2点で、目安として35問以上の正答が必要になります。
実技試験の合格基準は、150点満点中90点以上です。ただし、総得点が90点以上であっても、論述試験や面接試験の評価区分で一定の基準を下回ると不合格になります。
キャリアコンサルティング協議会では、論述試験で配点の40%以上、面接試験では「態度」「展開」「自己評価」の各評価区分で満点の40%以上が必要です。日本キャリア開発協会では、論述試験で満点の40%以上、面接試験では「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」の各評価区分で満点の40%以上が必要です。
そのため、キャリアコンサルタント試験では、学科の知識だけでなく、実際の相談場面で相談者の話を丁寧に聴き、問題を整理し、適切な支援につなげる力が求められます。実技試験では、面談の流れや技法を覚えるだけでなく、相談者を尊重する姿勢や、自分の対応を振り返る力も重要になります。
キャリアコンサルタント試験の受験者数・合格率
2026年3月実施・第31回
| 試験区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 学科試験 | 4,983人 | 4,017人 | 80.6% |
| 実技試験 | 5,568人 | 3,599人 | 64.6% |
| 学科・実技試験同時受験者 | 4,264人 | 2,549人 | 59.8% |
2025年11月実施・第30回
| 試験区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 学科試験 | 5,013人 | 3,891人 | 77.6% |
| 実技試験 | 5,182人 | 3,321人 | 64.1% |
| 学科・実技試験同時受験者 | 4,045人 | 2,347人 | 58.0% |
2025年7月実施・第29回
| 試験区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 学科試験 | 4,944人 | 3,594人 | 72.7% |
| 実技試験 | 4,822人 | 3,099人 | 64.3% |
| 学科・実技試験同時受験者 | 3,690人 | 2,055人 | 55.7% |
2025年3月実施・第28回
| 試験区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 学科試験 | 6,298人 | 4,310人 | 68.4% |
| 実技試験 | 5,969人 | 4,040人 | 67.7% |
| 学科・実技試験同時受験者 | 4,899人 | 2,726人 | 55.6% |
2024年11月実施・第27回
| 試験区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 学科試験 | 5,516人 | 3,295人 | 59.7% |
| 実技試験 | 5,544人 | 3,737人 | 67.4% |
| 学科・実技試験同時受験者 | 4,430人 | 2,231人 | 50.4% |
キャリアコンサルタント試験の難易度
難易度は、国家資格の中では標準レベルです。
合格率だけを見ると極端に難しい試験ではありませんが、学科試験と実技試験の両方に合格する必要があるため、知識だけでなく、相談場面を想定した実践的な対応力も求められます。
直近の第31回試験では、学科試験の合格率は80%前後、実技試験の合格率は60%台半ばとなっています。たとえば、キャリアコンサルティング協議会の第31回試験では、学科試験が80.9%、実技試験が63.8%、学科・実技の両方を受験した人の合格率は58.8%でした。日本キャリア開発協会では、学科試験が79.5%、実技試験が67.8%、同時受験者の合格率が**62.9%**となっています。
学科試験は、キャリア理論、労働関係法令、職業能力開発、メンタルヘルス、カウンセリング理論など、幅広い知識が問われます。出題範囲は広いものの、過去問や公式テキストを使って繰り返し学習すれば、得点を積み上げやすい試験です。
一方で、実技試験はやや対策が難しい部分があります。論述試験では、相談者の状況を読み取り、課題や支援方針を整理する力が必要です。面接試験では、ロールプレイを通して傾聴姿勢や相談者への関わり方が評価されるため、知識の暗記だけでは対応しにくい試験といえます。
勉強時間の目安としては、養成講習を受講している人であれば、講習とは別に100〜200時間程度を見ておくと安心です。特に学科は過去問演習、実技は論述練習と面接ロールプレイをバランスよく行うことが重要です。
総合的に見ると、キャリアコンサルタント試験は、しっかり準備すれば十分合格を目指せる資格です。ただし、学科だけでなく実技対策も必要になるため、短期間の暗記だけで突破するタイプの試験ではありません。相談者の話を丁寧に理解し、適切に支援する姿勢を身につけることが、合格に近づくポイントになります。
キャリアコンサルタント試験の勉強法
単に知識を暗記するだけでなく、相談者の話をどのように受け止め、どのように支援していくかという実践的な理解も求められます。
学科試験については、まずテキストでキャリア理論、職業能力開発、労働関係法令、メンタルヘルス、カウンセリングに関する基礎知識を一通り押さえることが大切です。そのうえで、過去問や問題集を繰り返し解き、出題傾向に慣れていく勉強法が効率的です。特にキャリア理論や法律・制度に関する部分は、似た用語が多いため、曖昧なまま進めず整理しながら覚えるとよいでしょう。
実技試験は、論述試験と面接試験に分かれます。論述試験では、相談者の状況を正しく読み取り、問題点や支援方針を文章でまとめる力が必要です。過去問を使って、設問ごとの答え方や時間配分に慣れておくことが重要です。
面接試験では、ロールプレイを通じてキャリアコンサルタントとしての基本姿勢や相談対応力が見られます。独学だけでは自分の話し方や対応の癖に気づきにくいため、養成講座の仲間や勉強会、実技対策講座などを活用して、実際に練習を重ねるのがおすすめです。
学科試験は独学でも対策しやすいですが、実技試験は客観的なフィードバックを受けながら練習した方が合格に近づきやすくなります。知識の暗記だけでなく、「相談者の話を丁寧に聴く」「気持ちや状況を整理する」「今後の支援につなげる」という流れを意識して学習を進めることが大切です。
キャリアコンサルタント試験の資格講座
ヒューマンアカデミーが実施している「キャリアコンサルタント養成講座」は、厚生労働大臣が認定する講習に指定されており、通学・通信同時学習で最短2ヶ月で受験資格を取得することができます。
キャリアコンサルタントの仕事
キャリアコンサルティングは企業や大学、行政機関などで必要とされています。
キャリアコンサルタントになると、企業で従業員のキャリア形成サポートを行ったり、従業員のキャリアプランに応じて、必要な知識や資格習得、仕事選択などをサポートする立場で働くといった機会が増えます。
また、大学や行政機関、人材紹介・人材派遣業界や再就職支援業界といった場所で働く機会などもあります。
例えば、大学のキャリアセンターで就職活動をしている学生の相談に応じたり、ハローワークや人材紹介・人材派遣などで仕事を探している求職者に仕事を紹介したり、再就職支援という場で、一般の求職者などに効果的な就職活動をしえするための業務に就いたりします。
このような就職支援活動では、キャリアコンサルティングサービスとして、エントリーシートの作成支援、面接の指導などによる求職者のサポートを行ったりします。
このようなキャリアコンサルタントという職への需要はますます高まっているといわれています。

