建設業経理士試験の難易度・合格率・試験日など

目次

建設業経理士試験とは

建設業に特有の会計処理や経理実務に関する知識を認定する検定試験です。一般的な簿記の知識に加えて、完成工事高、完成工事原価、未成工事支出金、工事進行基準など、建設業ならではの会計処理を理解しているかが問われます。

試験区分は1級・2級・3級・4級に分かれており、1級と2級の合格者は「建設業経理士」、3級と4級の合格者は「建設業経理事務士」と呼ばれます。1級は財務諸表、財務分析、原価計算の3科目で構成され、建設業の経理・会計をより専門的に扱う上位資格です。

建設会社、土木工事会社、工務店、設備工事会社、建設関連企業の経理部門などで活用しやすい資格です。建設業では経営事項審査や工事ごとの原価管理が重要になるため、建設業界で経理・会計職を目指す人や、実務経験を深めたい人に向いています。

建設業経理士の基本情報

資格種別民間資格
ジャンル建築・不動産
資格区分1級建設業経理士、2級建設業経理士、3級建設業経理事務士、4級建設業経理事務士
受験資格なし
試験日程1級・2級は年2回、例年9月と3月ごろに実施。3級・4級は年1回、例年3月ごろに実施
試験方法筆記試験。1級は科目別受験方式、2級・3級・4級は級ごとの試験として実施
免除科目1級は科目合格制で、合格した科目は一定期間有効。3級・4級は特別研修を修了すると検定試験に代えて修了試験で資格取得を目指せる場合があります
試験場所全国の指定試験地
受験料1級1科目:8,120円/1級2科目同時:11,420円/1級3科目同時:14,720円/2級:7,120円/3級:5,820円/4級:4,720円
登録・更新1級・2級の合格者は建設業法上の登録経理試験合格者として扱われます。経営事項審査で評価を受け続けるには、合格後5年経過後に登録経理講習の修了が必要
問い合わせ一般財団法人 建設業振興基金
関連資格日商簿記検定
不動産コンサルティング技能試験
税理士
貸金業務取扱主任者

建設業経理士の試験日

2026年度試験

建設業経理士検定試験(1級・2級)

試験日申込期間合格発表
上期:9月13日5月12日~6月11日11月13日
下期:3月上旬予定公式ページで確認5月中旬予定

建設業経理事務士検定試験(3級・4級)

試験日申込期間合格発表
下期:3月上旬予定公式ページで確認5月中旬予定

建設業経理士の試験内容

建設業の会計処理、原価計算、財務諸表、財務分析、建設業特有の取引処理などが問われます。

1級は、財務諸表、財務分析、原価計算の3科目で構成されています。2級は建設業簿記、3級・4級は建設業会計の基礎的な内容が中心です。

出題範囲

1級

財務諸表、財務分析、原価計算の3科目が出題されます。

財務諸表では、建設業における会計処理、完成工事高、完成工事原価、未成工事支出金、工事未払金、財務諸表の作成などが問われます。建設業特有の勘定科目や、工事契約に関する会計処理を正確に理解しておく必要があります。

財務分析では、収益性、安全性、活動性、生産性、成長性などの分析指標が出題されます。財務諸表の数値を使い、企業の経営状態や財務体質を読み取る力が必要です。

原価計算では、工事原価の分類、材料費、労務費、外注費、経費、部門別計算、工事別原価計算などが問われます。工事ごとの原価を正しく把握し、建設業の利益管理に結びつける理解が重要です。

2級

建設業簿記を中心に出題されます。建設業特有の取引処理、完成工事高、完成工事原価、未成工事支出金、前受金、工事未払金、材料・労務費・外注費・経費の処理などを理解しておく必要があります。

決算整理、精算表、損益計算書、貸借対照表、原価計算なども出題範囲に含まれます。一般的な簿記の知識に加えて、建設業特有の勘定科目や工事原価の考え方を整理しておくことが大切です。

3級

建設業会計の基本的な仕訳、帳簿記入、決算処理などが中心です。現金預金、売掛金、買掛金、材料、未成工事支出金、完成工事高、完成工事原価など、基本的な取引を正しく処理できるかが問われます。

2級よりも基礎的な内容ですが、建設業特有の勘定科目が出てくるため、一般的な商業簿記との違いを理解しておく必要があります。

4級

簿記の基本と建設業会計の入門的な内容が出題されます。仕訳、勘定記入、帳簿の役割、試算表、決算の基礎などを理解しているかが中心です。

初歩的な建設業会計の考え方を学ぶ区分で、工事に関する収益や費用の基本的な処理を確認しておく必要があります。

試験科目と出題数

1級は、財務諸表、財務分析、原価計算の3科目です。各科目ごとに試験が行われ、3科目すべてに合格することで1級合格となります。

2級は建設業簿記、3級・4級は建設業会計に関する内容から出題されます。いずれも筆記試験で実施され、計算問題や仕訳問題、財務諸表作成、原価計算などが出題されます。

合格基準

1級は、財務諸表、財務分析、原価計算の各科目で70点以上が合格基準です。科目合格制のため、合格した科目は一定期間有効となり、最終的に3科目すべてに合格すると1級合格になります。

2級・3級・4級も、100点満点中70点以上が合格基準です。簿記の基本処理だけでなく、建設業特有の会計処理や工事原価の考え方を正確に理解しておく必要があります。

建設業経理士の受験者数・合格率

1級建設業経理士|財務諸表

回・実施日受験者数合格者数合格率
第38回・2026年3月8日1,480人445人30.1%
第37回・2025年9月7日1,439人402人27.9%
第36回・2025年3月9日1,347人430人31.9%
第35回・2024年9月8日1,317人441人33.5%
第34回・2024年3月10日1,349人497人36.8%

1級建設業経理士|財務分析

回・実施日受験者数合格者数合格率
第38回・2026年3月8日1,279人367人28.7%
第37回・2025年9月7日1,278人345人27.0%
第36回・2025年3月9日1,235人326人26.4%
第35回・2024年9月8日1,064人288人27.1%
第34回・2024年3月10日1,179人540人45.8%

1級建設業経理士|原価計算

回・実施日受験者数合格者数合格率
第38回・2026年3月8日1,668人376人22.5%
第37回・2025年9月7日1,608人284人17.7%
第36回・2025年3月9日1,702人422人24.8%
第35回・2024年9月8日1,619人326人20.1%
第34回・2024年3月10日1,630人328人20.1%

2級建設業経理士

回・実施日受験者数合格者数合格率
第38回・2026年3月8日9,226人4,386人47.5%
第37回・2025年9月7日8,010人2,577人32.2%
第36回・2025年3月9日9,014人4,254人47.2%
第35回・2024年9月8日8,083人2,952人36.5%
第34回・2024年3月10日8,920人4,255人47.7%

3級建設業経理事務士

回・実施日受験者数合格者数合格率
第44回・2026年3月8日1,733人1,157人66.8%
第43回・2025年3月9日1,625人1,149人70.7%
第42回・2024年3月10日1,735人1,133人65.3%
第41回・2023年3月12日1,845人1,229人66.6%
第40回・2022年3月13日2,010人1,171人58.3%

4級建設業経理事務士

回・実施日受験者数合格者数合格率
第44回・2026年3月8日129人90人69.8%
第43回・2025年3月9日163人117人71.8%
第42回・2024年3月10日163人129人79.1%
第41回・2023年3月12日183人138人75.4%
第40回・2022年3月13日185人144人77.8%

建設業経理士の難易度

3級・4級であれば経理の基礎を学びながら取り組みやすい一方、2級以上になると建設業会計特有の処理を理解する必要があり、難しさが増します。特に1級は財務諸表、財務分析、原価計算の3科目に分かれており、一般的な簿記知識だけでなく、建設業ならではの会計処理まで深く学ぶ必要があります。

難しさの理由は、建設業会計では工事ごとの収益・原価管理が重要になるためです。完成工事高、完成工事原価、未成工事支出金、工事未払金、工事進行基準に関する考え方など、通常の商業簿記とは異なる勘定科目や処理が出てきます。日商簿記などの学習経験がある人は取り組みやすいですが、建設業特有の用語に慣れるまでは時間がかかるでしょう。

2級では、建設業の経理実務で使う会計処理を中心に問われます。仕訳や精算表、財務諸表の作成など、簿記の基本を使いながら解く問題が多いため、簿記3級程度の基礎があると理解しやすくなります。一方で、簿記の経験がない人は、まず仕訳や勘定科目の考え方から学ぶ必要があります。

1級は科目ごとの専門性が高く、計算問題だけでなく理論の理解も重要になります。財務諸表では会計基準や表示、財務分析では経営指標の読み取り、原価計算では工事原価や管理会計の考え方が問われるため、単純な暗記だけでは対応しにくくなります。

建設会社の経理部門で働いている人や、簿記の学習経験がある人は、実務や既存知識と結びつけながら学習しやすい資格です。ただし、上位級では出題範囲が広く、計算力と理論理解の両方が必要になるため、過去問演習を繰り返しながら、建設業会計特有の処理に慣れておくことが大切です。

建設業経理士の勉強法

3級・4級は基礎的な内容が中心なので、簿記の基本を理解しながら問題集を繰り返し解くことで対策しやすいです。2級では、建設業会計の処理に加えて、財務諸表や原価計算の理解も必要になるため、仕訳だけでなく計算問題にも慣れておきましょう。

1級はかなり難易度が上がり、財務諸表、財務分析、原価計算の3科目に分かれます。科目ごとに合格を積み上げられるため、得意分野から計画的に受験するのも一つの方法です。

勉強法としては、テキストで基礎を確認したあと、過去問を繰り返し解く流れがおすすめです。建設業経理士試験は、出題形式に慣れることが重要なので、間違えた問題は解き方を確認し、同じタイプの問題を確実に解けるようにしておきましょう。

簿記の知識がある方は取り組みやすい試験ですが、建設業特有の勘定科目や工事原価の考え方には慣れが必要です。基本的には、テキストで建設業会計の特徴を理解し、問題集と過去問で仕訳・計算・財務分析を反復する勉強法がおすすめです。

資格を活かせる仕事

建設会社、工務店、土木工事会社、設備工事会社、リフォーム会社、ゼネコン、サブコン、建設関連企業の経理・総務・財務部門などがあります。特に、工事原価の管理、請求書処理、入出金管理、決算補助、工事ごとの利益管理、経営事項審査に関わる業務では、資格で学んだ知識を実務に活かしやすいでしょう。

建設業経理士は、建設業界では比較的実用性の高い資格です。特に1級・2級は、建設会社の経理職で評価されやすく、経営事項審査でも一定の評価対象になるため、会社側にとっても取得者を置くメリットがあります。建設業の経理職を目指す場合、日商簿記に加えて建設業経理士を持っていると、業界に合った会計知識を持っていることを示しやすくなります。

一方で、建設業以外の経理職を目指す場合は、日商簿記の方が広く評価されやすいです。建設業経理士は、あくまで建設業向けの専門資格なので、一般企業全体で幅広く通用する資格というより、建設業界で強みを発揮する資格と考えるとよいでしょう。

建設業経理士試験は、建設会社の経理・総務・財務で働きたい人や、すでに建設業界で経理業務に携わっている人に向いています。実務でしっかり活かしたい場合は、2級以上を目指し、日商簿記や会計ソフト、Excel、建設業会計の実務経験と組み合わせることで、より評価されやすくなるでしょう。

受験者の口コミ

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成人男1一定の効力はある?
4.0 じゅう 30代会社員

1~2ヶ月で2級取りました。税理士の財務諸表論と全経簿記1級持ってたので勘定科目覚えたりする以外はあまり新規に覚える所無かったです。
当日はマイ電卓忘れて近くのコンビニで小さくて使いづらいの買って受かりましたし(笑)。
経理未経験でも建設業の経理の求人の書類選考通ったから(結局不採用でしたが)一定の効力はあるのではないかと。事務職ならCADとか会計ソフトの資格とかMOSとか合わせて取ればいいかも知れませんね。(2019年7月)

資格を広めてくれると嬉しいです!
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