貸金業務取扱主任者試験 – 難易度や合格率・日程など

目次

貸金業務取扱主任者試験とは

貸金業者の業務が貸金業法などの法令に基づいて適正に行われるよう、従業者への助言や指導を行う専門資格です。貸金業者には、営業所や事務所ごとに一定数の貸金業務取扱主任者を置くことが求められており、貸金業界では実務に直結しやすい資格です。

試験に合格しただけでは、すぐに貸金業務取扱主任者として業務に従事できるわけではありません。合格後に主任者登録を申請し、登録を受けることで正式に貸金業務取扱主任者となります。登録の有効期限は3年間です。

消費者金融、クレジット、信販、リース、金融関連会社など、貸金業務に関わる仕事をしている人に向いています。法令遵守や利用者保護が重視される分野のため、貸金業界で働く人が専門性とコンプライアンス意識を示しやすい資格といえるでしょう。

貸金業務取扱主任者試験の基本情報

資格種別国家資格(名称独占資格)
ジャンル金融・会計・簿記
資格区分なし
受験資格なし
試験日程年1回、例年11月頃
試験方法筆記試験、4肢択一式50問・120分
免除科目なし
試験場所全国主要都市など
受験料8,500円 ※非課税
登録・更新主任者登録制度あり。登録有効期間は3年
問い合わせ日本貸金業協会
関連資格金融窓口サービス技能士
社会保険労務士
銀行業務検定試験
行政書士

貸金業務取扱主任者試験の試験日

2026年度試験

試験日申込期間合格発表
11月15日(日)7月1日~9月10日1月12日

貸金業務取扱主任者試験の試験内容

貸金業務に関する法令、実務、資金需要者等の保護、財務・会計の知識を問う国家資格試験です。試験は4肢択一式で行われ、貸金業法を中心に、民法、商法、会社法、個人情報保護法、消費者契約法、財務会計など、貸金業務に必要な範囲から出題されます。

試験時間は2時間で、問題数は50問です。令和7年度試験でも、試験時間2時間、50問の4肢択一式で実施されています。

出題範囲

法及び関係法令に関すること

貸金業法、貸金業法施行令、貸金業法施行規則、出資法、利息制限法、貸金業者向けの総合的な監督指針、貸金業協会の自主規制基本規則などが出題されます。貸金業者の登録、業務運営、広告、契約、書面交付、過剰貸付けの禁止など、貸金業務の中心となる法令知識を理解しておく必要があります。

貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務

民法、商法、会社法、保険法、手形法・小切手法、電子記録債権法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、破産法、民事再生法などが出題範囲に含まれます。貸付契約、保証、債権管理、回収、倒産手続きなど、貸金業務に関係する民事法・手続法の知識が問われます。

資金需要者等の保護に関すること

個人情報保護法、金融分野における個人情報保護に関するガイドライン、消費者契約法、景品表示法、貸金業法のうち資金需要者等の利益保護に関する部分などが出題されます。個人情報の取り扱い、広告表示、消費者保護、貸付自粛制度など、利用者保護に関する知識が中心です。

財務及び会計に関すること

家計診断と財務会計に関する知識が問われます。家計収支、可処分所得、貯蓄と負債、申告所得、源泉徴収票などの関係書類に加えて、企業会計の考え方、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書などが出題範囲に含まれます。

試験科目と出題数

試験は50問の4肢択一式で実施されます。令和7年度試験の科目別出題数は、「法及び関係法令に関すること」が27問、「貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること」が15問、「資金需要者等の保護に関すること」が5問、「財務及び会計に関すること」が3問です。

出題数を見ると、貸金業法を中心とした法令分野の比重が大きく、次に貸付けや債権管理に関する民事法・実務分野が続きます。資金需要者保護や財務・会計は出題数こそ少なめですが、試験範囲に含まれるため、基本事項は押さえておく必要があります。

合格基準

貸金業務取扱主任者試験の合格基準点は、試験回ごとに決定されます。令和7年度試験では、50問中31問正解が合格基準点でした。

貸金業務取扱主任者試験の受験者数・合格率

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年度・回受験申込者数受験者数合格者数合格率
2025年度・第20回11,371人9,878人3,208人32.5%
2024年度・第19回10,662人9,250人2,998人32.4%
2023年度・第18回10,963人9,448人2,928人31.0%

貸金業務取扱主任者試験の難易度

国家資格ではありますが、司法書士や行政書士のような本格的な法律系難関資格と比べると、難易度はやや抑えられています。しっかり試験範囲を押さえて学習すれば、法律を初めて学ぶ人でも合格を目指すことは可能です。

ただし、貸金業務に関する法律や実務知識が問われるため、まったく勉強せずに合格できる試験ではありません。金融業界や貸金業務に関わった経験がある人であれば理解しやすい部分もありますが、初学者にとっては専門用語や法律の考え方に慣れるまで少し時間がかかるでしょう。

また、出題内容は実務に関わる部分も多いため、単なる丸暗記だけでは対応しにくい面があります。貸金業務のルールをなぜ守る必要があるのか、利用者保護やコンプライアンスの観点から理解しておくことが大切です。

総合的に見ると、貸金業務取扱主任者試験は、難関資格というほどではありませんが、油断すると不合格になる可能性がある試験です。金融・法律系の基礎知識がない人は、早めに学習を始め、基本事項を丁寧に整理しておく必要がある資格といえるでしょう。

受験者に難易度を聞いた
  • 2009年開始時点では合格率は60%をゆうに越え、簡単な試験ではありましたが、その後は30%前後にとどまっていることから見ても、予備校が言うほど簡単な試験ではありません。試験範囲が幅広いので、過去問を分析して、範囲を絞った勉強をしないと、予想以上に苦戦する試験であるといえます。甘く見すぎると痛い目に合うことでしょう。(30代男性 会社員)

貸金業務取扱主任者試験の勉強法

科目別では「法及び関係法令に関すること」の出題数が多いため、貸金業法や関連法令を重点的に学習することが大切です。

勉強法としては、テキストで基礎を確認しながら、過去問を繰り返し解く流れが効率的です。日本貸金業協会の公式サイトでは、これまでの資格試験問題も公開されているため、問題演習に活用できます。

法律系の問題は、条文や数字を丸暗記するだけでなく、「どの場面でどの規制が適用されるのか」を理解することが重要です。特に、貸付条件、契約書面、取立て規制、総量規制、広告規制、個人情報の取扱いなどは実務にも関係しやすい分野です。

独学でも合格を目指せますが、法律に苦手意識がある方は通信講座や対策講座を利用するのも一つの方法です。基本的には、テキストで知識を固め、過去問を複数回解き、間違えた問題を重点的に復習する勉強法がおすすめです。

貸金業務取扱主任者試験のお勧めテキスト

貸金業務取扱主任者 合格教本 改訂第10版

法律や貸金業を初めて学ぶ人でも理解しやすいよう、短めの項目で要点を整理したテキストです。法改正に対応し、令和7年度の試験問題も反映されています。各章に厳選過去問があり、基礎学習と問題演習を並行しやすい一冊です。

2026年度版 貸金業務取扱主任者 合格テキスト

TAC出版の定番テキストです。貸金業法、民法、利息制限法、資金需要者保護、財務・会計など、試験範囲を体系的に学べます。独学で全体像を押さえたい人や、過去問題集に入る前の基礎固めに使いやすい教材です。

2026年度版 貸金業務取扱主任者 過去問題集

TAC出版の年度別過去問題集です。第16回から第20回までの5回分の過去問題と解答解説を収録しており、本試験形式で演習できます。テキストで知識を整理した後、出題傾向や時間配分を確認する仕上げ教材としておすすめです。

資格を活かせる仕事

貸金業者の営業所には、法律で貸金業務取扱主任者を置く必要があるため、貸金業界では実務に直結しやすい資格といえます。

活かしやすい仕事としては、消費者金融会社、信販会社、クレジットカード会社、事業者向け融資を行う会社、ローン会社、リース会社、金融機関の融資関連業務、債権管理、審査業務、コンプライアンス部門などがあります。特に、貸付契約、顧客説明、法令遵守、返済相談、債権管理などに関わる仕事では、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。

貸金業務では、利息、契約内容、返済能力の確認、取り立てルール、個人情報管理など、法律に沿った対応が強く求められます。そのため、貸金業法や関連法令を理解している人材は、貸金業者にとって重要です。職場によっては、資格取得が昇進や配置、資格手当の対象になることもあります。

ただし、貸金業務取扱主任者を取得しただけで、金融業界への就職・転職が必ず有利になるわけではありません。貸金業界では評価されやすい資格ですが、銀行や証券会社など幅広い金融業界全体で強く評価される資格というより、貸金業に特化した資格です。

そのため、消費者金融、信販、クレジット、ローン、リースなどの業界を目指す人には実用性があります。一方で、金融業界全般を目指す場合は、FP、証券外務員、簿記、金融窓口サービス技能士など、志望職種に合った資格と組み合わせるとよいでしょう。貸金業務取扱主任者試験は、貸金業界で働く人や、法令知識を身につけて金融関連業務に関わりたい人にとって、取得する価値のある資格といえます。

受験者の口コミ評判

5.0
取得にキッカケ

取得のきっかけは会社で必要になったからです。営業所ごとに1人必要ということで自分が取ろうと決心しました。私は第12回(2017年)で受かりました!得点は43点です。勉強方法としましては、①テキストをザッと読む、②テキストを精読する(2回目)、③過去問を解く(5年分)④見直し、間違えた分野の復習⑤③と④を繰り返す。
期間にして約1ヶ月くらいで、総勉強時間は100~150時間です。(1週間で取ったという強者もいますが…)。過去問に慣れればそこまで難易度は高くないと思います。今登録の真っ最中なんですが、会社(役員など)の人たちは喜んでくれました。持ってて損はないと思いますし、今度はこの資格勉強を活かして宅建を目指します!

畑山 20代会社員(2018年11月)

5.0
宅建士に似た資格

現在の難易度は分かりませんが、少なくとも当時は簡単な試験でした。(調べた所、現在の合格率は当時の半分になってます。得した気分です。)
市販の問題集を1冊か2冊購入して数回まわしましたが、無料のネット塾で前2回の過去問解説を見たのが一番勉強になりました。業法からの出題が多く、宅建士と似た試験という印象を持ちました。その他も常識で答えれば大丈夫でした。

桃蔵 30代会社員(2018年3月)

資格を広めてくれると嬉しいです!
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