水先人試験とは
船舶が港や海峡などを安全に航行できるよう、船長を補助して船を導く専門職を目指すための国家試験です。水先人は、船舶交通が多い水域や港湾で、地形・潮流・気象・航路事情などを踏まえて安全な入出港を支える重要な役割を担います。
水先人になるには、国土交通大臣の免許を受ける必要があります。免許は1級・2級・3級に分かれており、さらに各水先区ごとに交付されるため、免許を受けた水先区でのみ水先業務を行えます。
大型船や危険物積載船の航行にも関わるため、海技士としての経験や専門的な知識、操船に関する高度な判断力が求められます。船長経験者や航海士経験者など、船舶運航の実務経験を活かして、港湾・海上交通の安全を支える仕事を目指す人に向いている資格といえるでしょう。
水先人試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(業務独占資格) |
|---|---|
| ジャンル | 車・船・航空 |
| 資格区分 | 一級水先人、二級水先人、三級水先人 |
| 受験資格 | 登録水先人養成施設の養成課程修了、乗船履歴、身体検査・適性基準などが必要 |
| 試験日程 | 年1回程度 |
| 試験方法 | 身体検査、学術試験、実務試験など |
| 免除科目 | 養成課程修了者や保有資格・実務経験により一部省略される場合あり |
| 試験場所 | 国土交通省・地方運輸局などの指定会場 |
| 受験料 | 試験区分・年度により異なるため公式確認 |
| 登録・更新 | 合格後、国土交通大臣の免許を取得。免許は等級別・水先区別 |
| 問い合わせ | 国土交通省海事局海技課水先係 |
| 関連資格 | 海事代理士 救命艇手 海事補佐人 船の文化検定 |
水先人試験の試験日
2025年度試験
| 試験日 | 申込期間 |
|---|---|
| 釧路水先区:6月20日(金) | 6月6日まで |
| 伏木水先区:6月17日(火) | 6月6日まで |
| 田子の浦水先区:6月24日(火) | 6月6日まで |
| 佐世保水先区・島原海湾水先区・鹿児島水先区:6月17日(火) | 6月6日まで |
水先人試験の試験内容
試験は身体検査と学科試験で構成され、学科試験は筆記試験と口述試験に分かれています。
身体検査では、視力、弁色力、聴力、疾病、身体機能などが確認されます。学科試験では、船舶交通、港湾・水域の状況、操船、海上交通法規、気象・海象、非常時対応など、水先業務に必要な知識と判断力が問われます。国土交通省では、水先人試験は各級で年1回、各地方運輸局で行われると案内されています。
出題範囲
1級
大型船や特殊な船舶を含め、水先区内で高度な水先業務を行うための知識と判断力が問われます。船舶の操縦、航路・港湾事情、潮流・気象・海象、船舶交通の状況、海上衝突予防法や港則法などの関係法令、緊急時の対応を総合的に理解しておく必要があります。
口述試験では、実際の水先業務を想定し、船舶の安全な誘導方法や、海図を使った航行計画、危険回避の判断などを説明できるかが確認されます。
2級
1級より取り扱える範囲は限定されますが、水先区内で船舶を安全に導くための知識が問われます。操船、航路標識、港湾施設、潮汐・潮流、船舶交通、関係法令など、実務に直結する内容を理解しておく必要があります。
筆記試験では水先区共通の知識、口述試験では水先区ごとの実務的な知識や判断力が問われます。
3級
水先業務に必要な基礎的な知識と、担当する水先区に関する理解が問われます。船舶の構造・操船、航法、海図、気象・海象、海上交通法規、港湾事情などを幅広く確認する内容です。
水先人養成課程での学習や実務訓練を通じて、筆記試験と口述試験に対応できる知識を身につける必要があります。
試験科目と出題数
試験は、身体検査、筆記試験、口述試験で実施されます。身体検査は学術試験の前に行われ、視力、弁色力、聴力、疾病、身体機能などが検査されます。学術試験は、筆記試験と口述試験で構成され、口述試験には口頭試問と海図描画が含まれます。
筆記試験は水先区共通教育の実施期間中に、口述試験は水先区個別教育の実施期間中に行われます。具体的な試験日程や申請書類は、各地方運輸局の案内で確認する形式です。
合格基準
公式に一律の点数基準として公表されている情報は確認できませんでした。身体検査、筆記試験、口述試験の各段階で判定され、筆記試験合格者に対して口述試験が実施されます。
水先人試験は、水先区ごとに実施されるため、具体的な試験日程、実施場所、口述試験の案内、合格発表などは、受験する水先区を管轄する地方運輸局の案内を確認する必要があります。
水先人試験の受験者数・合格率
受験者数は毎年100人程度と言われています。
合格率は80%程度になります。
水先人試験の難易度
水先人は、大型船舶を港や狭い水域で安全に誘導する専門職であり、一般の人が独学で気軽に受験するタイプの資格ではありません。水先人になるには、登録水先人養成施設での養成課程修了、乗船履歴などの要件、水先人試験への合格、水先人免許の取得が必要とされています。
難しい理由は、試験問題そのものだけでなく、受験までに高度な海技知識と豊富な乗船経験が求められる点にあります。船舶の操縦、航海、気象、海上交通、港湾事情などを深く理解し、実際の現場で安全に判断できる力が必要です。
また、水先人の免許は一級から三級までの等級別、さらに水先区ごとに交付され、免許を受けた水先区でのみ水先業務を行える仕組みです。 そのため、単に全国共通の知識を覚えればよいわけではなく、担当する水域の特性を理解することも重要になります。
特に上位級になるほど、より大きな船舶や危険性の高い船舶への対応も関わるため、難易度はさらに高くなります。知識だけでなく、瞬時の判断力、危機対応力、船長や関係機関と連携する力も求められるため、実務経験の浅い人にはかなりハードルの高い資格です。
総合的に見ると、水先人試験は海事系資格の中でも非常に専門性が高く、難易度の高い国家試験です。長年の乗船経験と専門的な訓練を前提にした資格であり、短期間の試験対策だけで合格を目指すのは難しい試験といえるでしょう。
水先人試験の勉強法
一般的な資格試験のように市販テキストだけで独学する試験ではなく、海技士としての経験や水先人養成課程での学習を前提に対策する専門性の高い試験です。水先人試験は各級で年1回、各地方運輸局で行われ、身体検査と学科試験、筆記試験・口述試験が実施されます。
勉強では、まず自分が目指す水先区と等級に必要な知識を整理しましょう。水先人免許は1級〜3級に分かれ、さらに各水先区ごとの免許となるため、一般的な航海知識だけでなく、担当する港湾・航路の地形、潮流、交通状況、操船上の注意点を深く理解する必要があります。
筆記対策では、航海、操船、海上交通法規、港則法、気象・潮流、海図、航路計画、安全管理などを重点的に復習しましょう。過去問や一般向けの対策情報は多くないため、養成施設での教材、実務で使う資料、先輩水先人や試験経験者からの情報を活用することが重要です。
口述試験では、知識を覚えているだけでなく、実際の水先業務を想定して説明できる力が求められます。入出港時の判断、危険回避、タグボートとの連携、気象悪化時の対応、船長への助言などを、自分の言葉で筋道立てて説明する練習をしておくとよいでしょう。
独学だけで合格を目指す資格ではないため、基本的には水先人養成課程や実務経験を通じて知識と操船判断力を積み上げることが合格への近道です。学科は専門知識の整理、口述は想定問答、実務面は水先区ごとの航路・潮流・港湾事情の理解を中心に、長期的に対策する勉強法がおすすめです。
資格を活かせる仕事
水先人試験に合格して免許を交付してもらうことにより、水先案内人として活躍することができます。
水先案内人の主な仕事内容は、船長などに対して航行の助言を行うことがメインになるので、航海・海域に関しての専門知識が必須になります。(だから業務独占資格なんですけどね・・・)
海技課水先係のホームページ内に仕事内容に関する詳しい説明を写真付きで解説しているので、詳しくはそちらで確認して下さい。
2017年現在、全国35箇所の港や船舶交通の輻輳する水域が水先区として設定されており、650名以上の水先案内人が活躍しています。
収入に関しては、水先案内人の平均年収は600万円以上と言われています。専門的な高度な知識が必要になるので、必然的に高くなります。
しかも、経験を積めば積むほど収入がアップしやすい職種になるので、50代を超えると1,000万円以上稼いでいる人の割合が多くを占めています。
先ほども言いましたが、水先人試験は1級~3級まであり、3級しか持っていない場合は2万トンまでの船舶でしか業務が出来ないので自ずと収入は下がります。
2級だと5万トンまで、1級だと制限が無くなるのでステップアップするほど収入期待値は上がります。

