ビジネス実務法務検定とは
ビジネスで起こりうるトラブルや不祥事を防ぐために、実務に役立つ法律知識を身につけるための検定試験です。契約、取引、労務、知的財産、消費者対応など、企業活動に関わる法律の基本を学べます。
法務部門だけでなく、営業、販売、総務、人事、管理職など、幅広い職種で活かしやすい点が特徴です。東京商工会議所も、業務上のリスクを未然に察知し、法的にチェックして問題解決につなげる法律知識は、すべてのビジネスパーソンに必要な能力と説明しています。
法律系資格の中では実務寄りで、ビジネスに必要な法務知識を基礎から整理したい人に向いています。企業によっては新入社員研修や昇格要件、自己啓発制度の対象として活用されることもあり、社会人の法律リテラシーを示しやすい検定といえるでしょう。
ビジネス実務法務検定の基本情報
| 資格種別 | 公的資格 |
| ジャンル | 法律・法務 |
| 資格区分 | 1級、2級、3級 |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 1級は年1回、例年12月頃。2級・3級は年2回、例年6月〜7月・10月〜11月頃 |
| 試験方法 | 1級はCBT方式の統一試験。2級・3級はIBT方式またはCBT方式、多肢選択式90分 |
| 免除科目 | なし |
| 試験場所 | 1級・CBT方式は全国のテストセンター。IBT方式は自宅・職場など |
| 受験料 | 1級:9,900円+CBT利用料2,200円/2級:7,700円/3級:5,500円 ※CBT方式は別途利用料2,200円 |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 東京商工会議所 |
| 関連資格 | 行政書士 自治体法務検定 法務省専門職員 通関士 |
ビジネス実務法務検定の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 2級・3級:6月18日(木)~7月6日(月) | 5月15日~5月26日 | 試験終了後に確認 |
| 2級・3級:10月22日(木)~11月9日(月) | 9月16日~9月29日 | 試験終了後に確認 |
| 1級:12月6日(日) | 11月4日~11月11日 | 3月10日 |
ビジネス実務法務検定の試験内容
1級・2級・3級に分かれており、上位級ほど企業法務の実務対応力が重視されます。1級は論述式、2級・3級は多肢選択式で実施されます。
1級では、民法、商法・会社法を中心に、企業活動で発生する法律実務問題への対応力が問われます。2級・3級では、企業取引、債権管理、企業財産、会社組織、労働関係、消費者保護、紛争解決など、ビジネスで必要となる法律知識が出題されます。
出題範囲
1級
1級・2級・3級の範囲に該当する法律と関連法令が出題範囲です。共通問題では、民法、商法・会社法を中心に、業種を問わず発生しやすい法律実務問題が出題されます。
選択問題では、特定の業種に関連する法律や、実務上のトラブル対応が問われます。取引上のトラブル、第三者とのトラブル、法務関係者への報告、予防法務の観点からの対応など、実務場面を想定した問題が中心です。
2級
企業取引の法務、債権の管理と回収、企業財産の管理・活用、企業活動に関する法規制、株式会社の組織と運営、企業と従業員の関係、紛争の解決方法、国際法務などが出題範囲です。
契約、債権回収、知的財産、独占禁止法、個人情報保護法、消費者契約法、労働法、民事訴訟、国際取引など、企業活動で必要となる法律知識を実務に近い形で理解しておく必要があります。
3級
ビジネス実務法務の法体系、企業取引の法務、債権の管理と回収、企業財産の管理と法律、企業活動に関する法規則、企業と会社の仕組み、企業と従業員の関係、ビジネスに関連する家族法などが出題範囲です。
法律の細かな専門知識よりも、企業活動で発生しやすい基本的な法律問題を理解し、取引や職場で必要となる法務知識を整理しておくことが中心になります。
試験科目と出題数
1級は、共通問題2問と選択問題2問で構成され、200点満点です。共通問題は2問必須、選択問題は4問中2問を選択して解答します。
2級・3級は、多肢選択式で実施されます。試験時間はいずれも90分で、IBT方式、CBT方式、団体試験方式に対応しています。
合格基準
1級は、各問題で50%以上を得点し、かつ合計200点満点中140点以上で合格です。
2級・3級は、100点満点中70点以上が合格基準です。
ビジネス実務法務検定の受験者数・合格率
第58回・2025年度第2シーズン
| 級 | 受験者数 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 1級 | 662人 | 521人 | 48人 | 9.2% |
| 2級 | 8,337人 | 7,050人 | 3,053人 | 43.3% |
| 3級 | 11,310人 | 10,185人 | 3,898人 | 38.3% |
第57回・2025年度第1シーズン
| 級 | 受験者数 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 2級 | 6,687人 | 5,729人 | 2,027人 | 35.4% |
| 3級 | 10,518人 | 9,467人 | 5,454人 | 57.6% |
第56回・2024年度第2シーズン
| 級 | 受験者数 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 1級 | 587人 | 445人 | 74人 | 16.6% |
| 2級 | 7,695人 | 6,586人 | 2,759人 | 41.9% |
| 3級 | 10,358人 | 9,338人 | 4,321人 | 46.3% |
ビジネス実務法務検定の難易度
3級は、ビジネスに関わる法律知識の基礎を確認するレベルなので、法律を初めて学ぶ人でも比較的取り組みやすい試験です。社会人として知っておきたい契約や取引、会社に関する基本的な法律知識を整理する内容が中心のため、公式テキストに沿って学習すれば初学者でも十分合格を目指せるでしょう。
2級になると、難易度は上がります。3級よりも実務に近い法律知識が必要になり、単に用語を覚えるだけでは対応しにくくなります。企業活動の中でどのような法律問題が起こるのかをイメージしながら理解する必要があるため、法律に慣れていない人は少し難しく感じるかもしれません。
1級はさらに難易度が高くなります。ビジネス全般に関わる法務知識をもとに、実務上のトラブルや判断が必要な場面に対応できる力が求められるため、2級までとは別物と考えた方がよいでしょう。知識を覚えているだけでなく、問題の状況を読み取り、法律的にどう考えるかを整理する力が必要になります。
総合的に見ると、ビジネス実務法務検定は3級であれば法律系資格の入門として取り組みやすい試験です。ただし、2級以上は実務法務としての理解が求められ、1級は企業法務に関わる人でもしっかり対策が必要な難易度といえるでしょう。
ビジネス実務法務検定の勉強法
3級は、ビジネスに必要な法律の基礎知識が中心です。契約、取引、債権管理、会社法、知的財産、労働関係などを広く学ぶため、まずは公式テキストで全体像をつかみ、問題集で出題形式に慣れていきましょう。
2級では、より実務に近い法律知識が問われます。契約トラブル、債権回収、企業活動の法規制、コンプライアンスなど、実際のビジネス場面をイメージしながら学ぶと理解しやすくなります。
1級を目指す場合は、論述試験への対策が重要です。公式問題集でも論述試験のポイントが解説されているため、知識を覚えるだけでなく、事例を読んで法的な問題点や対応策を文章でまとめる練習をしておきましょう。
独学でも対策できますが、法律に苦手意識がある方は3級から順に受験するのがおすすめです。基本的には、公式テキストで基礎を固め、公式問題集を繰り返し解き、間違えた論点を重点的に復習する流れが合格への近道です。
ビジネス実務法務検定のテキスト
ビジネス実務法務検定試験® 3級公式テキスト 2026年度版
3級を受験する人向けの公式テキストです。企業取引、債権管理、会社のしくみ、従業員との関係など、ビジネスで必要な法律知識を基礎から学べます。初めて法律を学ぶ人は、まずこの一冊で全体像を押さえるとよいでしょう。
ビジネス実務法務検定試験® 3級公式問題集 2026年度版
3級公式テキストに準拠した公式問題集です。直近の過去問題を掲載しており、最新の出題傾向を確認できます。テキストで知識を整理した後、問題演習で出題形式に慣れたい人の仕上げ教材として使いやすいです。
資格を活かせる仕事
法務、総務、人事、営業、経理、管理部門、コンプライアンス部門、契約管理、企業の取引先対応、金融機関、不動産会社、メーカー、商社などがあります。特に、契約書の確認、取引条件のチェック、社内規程の整備、労務管理、知的財産の管理、クレーム対応などに関わる仕事では、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。
企業では、法律をまったく知らないまま取引や契約を進めると、後からトラブルになる可能性があります。そのため、法務部門だけでなく、営業職や管理部門でも基本的な法律知識を持っていることは役立ちます。特に、取引先との契約や社外対応が多い職種では、法律的なリスクに気づける力が評価されやすいです。
就職・転職でしっかりアピールしたい場合は、3級だけではやや弱く、2級以上を目指したいところです。3級はビジネス法務の入門レベルとしては役立ちますが、法務・総務・管理部門で評価されたい場合は、2級以上の方が現実的です。
ビジネス実務法務検定は、弁護士や司法書士のような独占業務がある資格ではありません。そのため、この資格だけで法務職へ転職できるわけではありませんが、企業法務やコンプライアンスに関する基礎力を示す資格としては使いやすいです。法務・総務・人事・営業など、企業活動に関わる幅広い職種で、実務経験と組み合わせて活かしやすい資格といえるでしょう。
受験者の口コミ評判
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早稲田セミナーの問題集で勉強
3.0 まさし 30代会社員
一ヶ月程度の勉強で2級取りました。早稲田セミナーの問題集使いました。
あまり熱心には勉強せず直前にも6割くらいしか正解できなかったので落ちたと思ったのですが本試験で分からない問題は当てずっぽで答えたら意外と正解多くそれに加え合格率高い回だったんで受かりました。
特にこれを持ってて有利になったことは無いですがジョブカフェのカウンセラーから「ビジネス実務法務検定の2取ったんですか!?」と驚かれはしました(笑)。(2019年10月)
資格手当が月三千円支給
2.5 スミレ 20代会社員
資格を取得するキッカケとしては、現在、企業の総務課で働いていますが、資格手当の対象になったので収入アップの為に取得を目指しました。ちなみに、資格手当が月三千円支給されます。
勉強期間は、仕事が終わってから2時間、休日は5~7時間ぐらいの勉強期間で3ヶ月程で合格できました。
ビジネス実務法務検定は、簿記検定と同じ東京商工会の試験なので、認知度も高く、事務職の人事や総務、労務の部署では役立つ資格だと思います。1級は受験者も少なく、合格率も10%程しかありませんので評価されます。ただ、資格を取得したからといって、就職や転職に直接役立つ資格かと言われればそうでもないでしょう。(2019年6月)
法律事務所で勤務
4.0 おば 40代主婦
法律事務所の事務員として勤務していたことがあり、ステップアップの為に取得しました。
私は学力に自信がありませんでしたので、ユーキャンの通信講座を利用してDVDとテキストの反復学習で勉強しました。かかった費用はユーキャンの講座が確か6万円ぐらいだったと思います。
資格を取る為に費やした時間は1ヶ月程ですが、実務でも生かしたいと思い、そこから3ヶ月間勉強しました。(2018年1月)
学生さんに最適の資格
5.0 まっくん 30代会社員
勉強方法は、東京商工会議所が発行している、「ビジネス実務法務検定試験 公式テキスト」があればほぼ合格できます。試験はマークシートなので、全てを完璧に覚える必要は無いので楽です。
勉強時間は、試験日の2週間から1日3時間ぐらい勉強しました。
資格を取ってメリットを感じることは、法務と全く違う仕事をしているので、今の所、メリットを感じることはありません。ただ、私生活でも使える知識なので、トラブルが発生した時に対応することができます。(まだトラブルに遭ったことがないので実際の所は分かりませんが・・・)
3級は非常に簡単なので、これから法律の勉強をする学生さんに最適な試験だと思います。(2018年1月)


早稲田セミナーの問題集で勉強
資格手当が月三千円支給
法律事務所で勤務
学生さんに最適の資格