給水装置工事主任技術者試験とは
給水装置工事主任技術者試験は、給水装置工事に関する技術上の管理を行う主任技術者になるための国家試験です。給水装置工事主任技術者は、水道事業者から指定を受けた指定給水装置工事事業者において、給水装置工事の施工計画、工事方法、使用材料、品質管理、検査などを管理する役割を担います。
試験では、公衆衛生、給水装置の構造・性能、給水装置工事法、給水装置計画論、給水装置工事事務論、水道行政、給水装置の概要、給水装置施工管理法など、給水装置工事に必要な幅広い知識が問われます。水道設備に関する技術だけでなく、法令や施工管理に関する理解も必要です。
水道工事会社、設備工事会社、建設会社、住宅設備関連会社などで活用しやすい資格です。指定給水装置工事事業者では、事業所ごとに給水装置工事主任技術者を選任する必要があるため、給水装置工事に携わる人にとって実務性の高い資格といえます。
給水装置工事主任技術者試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(必置資格) |
| ジャンル | 建築・不動産 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | 給水装置工事に関して3年以上の実務経験がある人 |
| 試験日程 | 年1回。例年10月下旬ごろに実施 |
| 試験方法 | 筆記試験。全60問のマークシート方式 |
| 免除科目 | 1級または2級管工事施工管理技術検定の合格者は、申請により「給水装置の概要」と「給水装置施工管理法」が免除されます。 |
| 試験場所 | 北海道、東北、関東、中部、関西、中国四国、九州、沖縄の各試験地区 |
| 受験料 | 21,300円(非課税) |
| 登録・更新 | 試験合格後、厚生労働大臣から給水装置工事主任技術者免状の交付を受けることで資格者となります。資格そのものの更新制度はありませんが、資格取得後の研修制度があります。 |
| 問い合わせ | 公益財団法人 給水工事技術振興財団 |
| 関連資格 | 建築設備検査資格者試験 浄化槽管理士 管理業務主任者 管工事施工管理技士 下水道技術検定 |
給水装置工事主任技術者の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 10月25日 | 6月15日~7月17日 | 11月30日 |
給水装置工事主任技術者の試験内容
学科試験で実施されます。給水装置工事に必要な衛生、法令、給水装置の構造・性能、施工管理、計画、事務手続きなどが問われます。
試験科目は8科目で、公衆衛生概論、水道行政、給水装置の概要、給水装置の構造及び性能、給水装置工事法、給水装置施工管理法、給水装置計画論、給水装置工事事務論から出題されます。
出題範囲
給水装置工事法
給水装置工事の施工方法、配管、接合、器具の取付け、施工時の注意点、工事後の確認などが問われます。実際の工事で必要となる施工手順や、安全で衛生的な給水装置を設置するための知識を理解しておく必要があります。
給水装置の構造及び性能
給水管、給水用具、止水栓、メーター、逆流防止装置など、給水装置を構成する設備の構造や性能が出題されます。水質を保ち、安全に給水するための基準や、器具の性能要件を整理しておくことが大切です。
給水装置施工管理法
工事の施工管理、工程管理、品質管理、安全管理、現場での確認事項などが問われます。管工事施工管理技士の一定区分に合格している場合、この科目と給水装置の概要が免除対象になります。
給水装置計画論
給水方式、給水量の算定、配管計画、圧力、流量、給水装置の設計に関する内容が出題されます。建物や使用状況に応じて、適切な給水計画を立てるための知識が必要です。
給水装置工事事務論
給水装置工事に関する申請、届出、書類作成、工事記録、検査、事務手続きなどが問われます。工事を行う際に必要な手続きや、関係機関とのやり取りを理解しておく必要があります。
給水装置の概要
給水装置の基本的な仕組み、給水方式、構成部材、給水設備の役割などが出題されます。給水装置工事全体を理解するための基礎となる科目です。
水道行政
水道事業、水道法、水道事業者、指定給水装置工事事業者制度、給水装置工事主任技術者の役割などが問われます。水道行政の仕組みや、給水装置工事に関係する制度を確認しておく必要があります。
公衆衛生概論
水道と公衆衛生、水質、感染症予防、衛生管理などが出題されます。安全な水を供給するために、給水装置工事が公衆衛生とどのように関係するかを理解しておくことが大切です。
試験科目と出題数
試験は全60問で実施されます。出題科目は、公衆衛生概論、水道行政、給水装置の概要、給水装置の構造及び性能、給水装置工事法、給水装置施工管理法、給水装置計画論、給水装置工事事務論の8科目です。
管工事施工管理技士1級または2級の第二次検定に合格している場合は、給水装置の概要と給水装置施工管理法の2科目が免除されます。
合格基準
合格するには、必須6科目の合計点、全8科目の総得点、各科目の最低基準点のすべてを満たす必要があります。
必須6科目は、公衆衛生概論、水道行政、給水装置工事法、給水装置の構造及び性能、給水装置計画論、給水装置工事事務論です。この6科目の合計で一定以上の得点が必要です。
さらに、全8科目の総得点でも基準を満たす必要があります。各科目にも最低基準点があるため、総得点が高くても、特定科目の点数が基準を下回ると合格できません。
給水装置工事主任技術者の受験者数・合格率
| 年度 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | 14,839人 | 12,826人 | 4,463人 | 34.8% |
| 2024年度 | 14,633人 | 12,629人 | 4,407人 | 34.9% |
| 2023年度 | 14,558人 | 12,616人 | 4,351人 | 34.5% |
| 2022年度 | 14,052人 | 12,058人 | 3,742人 | 31.0% |
| 2021年度 | 13,827人 | 11,829人 | 4,209人 | 35.6% |
給水装置工事主任技術者の難易度
給水装置工事主任技術者試験は、実務経験者を対象にした国家資格であり、給水装置工事に関する知識を幅広く問われるため、簡単な試験ではありません。水道工事や配管工事の経験がある人は内容を理解しやすい一方、法規や水理、衛生管理などの知識まで整理する必要があります。
難しさの理由は、出題範囲が実務だけに限られないことです。給水装置の構造や施工方法だけでなく、水道法、給水装置工事法、給水装置の材料、給水装置計画論、給水装置工事事務論、公衆衛生概論、水道行政など、幅広い分野から出題されます。現場作業に慣れている人でも、法律や制度面の知識は別途学習が必要になります。
特に、水理や配管設計に関する内容は苦手にする人が多い分野です。水圧、流量、管径、損失水頭などの考え方を理解していないと、暗記だけでは対応しにくい問題があります。計算問題に強い人は取り組みやすいですが、数字や公式に苦手意識がある人は、早めに基礎から復習しておく必要があります。
また、試験科目が多いため、得意な施工分野だけで点数を取ろうとすると合格が不安定になります。実務で経験している内容はイメージしやすいものの、普段あまり意識しない法令、事務手続き、衛生管理、材料基準なども出題されるため、過去問を使って出題傾向をつかむことが重要です。
給水装置工事の実務経験がある人であれば、学習内容を現場と結びつけながら理解しやすい資格です。ただし、出題範囲が広く、科目ごとの基準点も意識する必要があるため、苦手分野を放置せず、施工・法規・水理・衛生をバランスよく対策することが合格につながります。
給水装置工事主任技術者の勉強法
出題範囲は広いですが、過去問と似た論点が繰り返し出ることも多いため、問題演習を通じて頻出分野を押さえることが大切です。特に、水道法や施行令・施行規則、給水装置の構造及び材質の基準は重要なので、数字や用語を正確に覚えておきましょう。
施工に関する分野では、配管材料、接合方法、給水管の布設、逆流防止、凍結防止、耐圧試験、漏水防止などが問われます。単なる暗記ではなく、実際の工事現場でどのように施工・確認するのかをイメージしながら学ぶと理解しやすくなります。
計算問題や図面に関する問題も出るため、苦手な方は早めに対策しておくと安心です。水圧、流量、損失水頭、管径などの基本的な考え方を押さえ、過去問を使って解き方に慣れておきましょう。
給水装置工事主任技術者試験は、実務経験がある方でも法令や基準を改めて整理する必要があります。基本的には、テキストで基礎を確認し、過去問を繰り返し解き、法令・施工・計算問題を重点的に復習する勉強法がおすすめです。
給水装置工事主任技術者のお勧めテキスト
給水装置工事主任技術者試験 テキスト&問題集
イラストや図解を使いながら、給水装置工事主任技術者試験の重要ポイントを学べるテキスト&問題集です。模擬試験やゴロ合わせ、赤シートも付いているため、基礎学習から直前確認まで一冊で進めたい人に向いています。
2026年版 給水装置工事主任技術者試験厳選過去問題集
過去問演習を重視したい人におすすめの問題集です。2021年から2025年までの過去問から頻出問題を厳選し、最新年度の問題も収録されています。テキストで知識を整理した後、出題傾向を確認する仕上げ教材として使いやすいです。
資格を活かせる仕事
水道工事会社、設備工事会社、管工事会社、住宅設備会社、工務店、リフォーム会社、ハウスメーカー、ビル管理会社、建設会社の設備部門などがあります。特に、給水管の引き込み工事、屋内配管、給水設備の施工、漏水対応、住宅や建物の水道設備工事に関わる仕事では、資格を直接活かしやすいでしょう。
給水装置工事を適切に行うには、水道法や給水装置の構造、配管材料、施工方法、衛生管理、事故防止に関する知識が必要です。水は生活に欠かせないインフラであり、施工不良があると漏水や水質トラブルにつながるため、正確な知識を持つ技術者は現場で重要な役割を担います。
この資格は、水道・設備工事業界では実用性が高い資格です。指定給水装置工事事業者として工事を行う会社では、給水装置工事主任技術者の選任が必要になるため、資格を持っていることで職場内で評価されやすくなります。
一方で、活かせる業界は水道工事・設備工事・建築設備関連に限られます。一般企業への就職・転職で幅広く評価される資格ではありません。実務では、配管工事の経験、現場管理、図面の読み取り、管工事施工管理技士などの関連資格も重視されます。
給水装置工事主任技術者試験は、水道工事や住宅設備、建築設備の分野で働きたい人にとって取得する価値の高い資格です。設備工事会社や水道工事会社で経験を積みながら取得すれば、現場での担当業務やキャリアアップにつなげやすい資格といえるでしょう。

