マンションリフォームマネジャー試験とは
マンションの専有部分のリフォームについて、専門知識をもとに企画・提案・調整を行う力を認定する資格です。戸建て住宅とは異なり、マンションリフォームでは管理規約、共用部分との関係、近隣住戸への配慮、構造や設備の制約などを踏まえて計画する必要があるため、実務に即した知識が求められます。
試験は学科試験と設計製図試験で構成されています。学科試験では、マンションの構造、設備、法規、管理組合との関係、リフォーム計画、施工管理などの知識が問われます。設計製図試験では、与えられた条件に基づいてリフォームプランを考え、図面として表現する力が評価されます。
リフォーム会社、住宅会社、設計事務所、建設会社、不動産会社、マンション管理会社などで活用しやすい資格です。マンションリフォームに関わる人が、管理組合や施工者と調整しながら、居住者に合ったリフォームを提案するための専門性を高めたい場合に向いています。
マンションリフォームマネジャーの基本情報
| 資格種別 | 民間資格 |
|---|---|
| ジャンル | 建築・不動産 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 年1回。例年9月下旬ごろに実施 |
| 試験方法 | 学科試験と設計製図試験で実施。学科試験は四肢択一式、設計製図試験は記述・作図形式 |
| 免除科目 | 学科試験または設計製図試験の一部合格者は、次回以降の試験で合格した試験が免除されます。2026年度から試験免除期間が撤廃されています |
| 試験場所 | 札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の指定試験地 |
| 受験料 | 学科+設計製図:16,500円(税込)/学科のみ:12,700円(税込)/設計製図のみ:12,700円(税込) |
| 登録・更新 | 試験合格後、登録手続きを行うことでマンションリフォームマネジャーとして登録できます。登録費用は8,000円(税込)で、以後の更新料・維持費は不要 |
| 問い合わせ | 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター |
| 関連資格 | ホームインスペクター マンション管理士 管理業務主任者 リフォーム取引販売士 古民家鑑定士 |
マンションリフォームマネジャーの試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 9月27日 | 7月6日~8月24日 | 12月7日予定 |
マンションリフォームマネジャーの試験内容
学科試験と設計製図試験で構成されています。学科試験では、マンションリフォームに関する計画、法規、設備、構造、材料、施工、見積り、契約、管理組合との調整などが問われます。
設計製図試験では、既存マンションの住戸条件を読み取り、リフォーム計画を図面としてまとめる力が確認されます。専有部分と共用部分の区分、管理規約、構造上の制約、設備配管、近隣住戸への影響など、マンション特有の条件を踏まえた計画力が必要です。
出題範囲
設計製図試験
既存住戸の図面や条件をもとに、リフォーム後の平面計画を作成する内容です。家族構成、生活動線、収納、採光、通風、設備位置、バリアフリー、インテリア計画などを踏まえて、条件に合った住戸改修案をまとめます。
マンションでは、構造壁や共用配管、PS、窓、玄関ドア、バルコニーなど、自由に変更できない部分があります。そのため、専有部分の範囲内で、現実的かつ安全なリフォーム計画を立てる力が問われます。
計画・設計
マンションリフォームの進め方、住戸計画、間取り変更、収納計画、動線計画、バリアフリー、インテリア、照明、換気、断熱、防音などが問われます。
戸建て住宅とは異なり、マンションでは管理規約や構造、設備配管の制約を踏まえて計画する必要があります。居住者の要望を整理し、実現可能な改修内容に落とし込む力が重要です。
法規・管理規約
区分所有法、建築基準法、消防法、マンション標準管理規約、管理組合の承認手続きなどが出題されます。
リフォームで変更できる範囲、専有部分と共用部分の違い、工事申請、近隣対応、騒音・振動への配慮など、マンションリフォーム特有のルールを理解しておく必要があります。
構造・設備
鉄筋コンクリート造、壁式構造、ラーメン構造、床・壁・天井、給排水設備、電気設備、ガス設備、換気設備、空調設備などが問われます。
水回りの移動、排水勾配、配管経路、換気ダクト、電気容量、遮音性能など、リフォーム計画に直接関わる設備上の制約を整理しておくことが大切です。
材料・施工
内装材、床材、壁材、天井材、建具、住宅設備機器、施工手順、養生、解体、下地、仕上げ、防音・防水工事などが出題されます。
既存住戸を改修するため、新築工事とは異なり、解体時の確認、既存部分との取り合い、施工中の騒音・粉じん対策、共用部分の養生なども重要になります。
見積り・契約・工事管理
見積書、工事請負契約、工程管理、品質管理、安全管理、近隣対応、引渡し、アフター対応などが問われます。
リフォーム工事では、工事中に追加変更が発生することもあるため、見積り内容や契約条件、工事範囲を明確にしておく知識が必要です。
試験科目と出題数
学科試験と設計製図試験で実施されます。
学科試験は、マンションリフォームに関する計画、法規、構造、設備、材料、施工、見積り、契約、管理などから出題されます。出題形式は択一式を中心とした筆記試験です。
設計製図試験では、与えられた条件に基づいて、マンション住戸のリフォーム計画図を作成します。平面計画、設備位置、動線、収納、居住性、法規・管理規約上の制約などを踏まえ、図面としてまとめる力が問われます。
合格基準
学科試験と設計製図試験の両方で基準を満たす必要があります。
学科試験では、マンションリフォームに関する知識を幅広く理解しているかが評価されます。設計製図試験では、課題条件への適合性、住戸計画の妥当性、マンション特有の制約への配慮、図面表現の正確さなどが評価されます。
マンションリフォームマネジャーの受験者数・合格率
学科試験
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 208人 | 97人 | 46.6% |
| 2024年度 | 253人 | 128人 | 50.6% |
| 2023年度 | 210人 | 93人 | 44.3% |
| 2022年度 | 285人 | 125人 | 43.9% |
| 2021年度 | 307人 | 162人 | 52.8% |
設計製図試験
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 236人 | 106人 | 44.9% |
| 2024年度 | 244人 | 74人 | 30.3% |
| 2023年度 | 201人 | 70人 | 34.8% |
| 2022年度 | 301人 | 118人 | 39.2% |
| 2021年度 | 302人 | 120人 | 39.7% |
最終結果
| 年度 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 268人 | 91人 | 35.3% |
| 2024年度 | 264人 | 68人 | 25.8% |
| 2023年度 | 238人 | 70人 | 29.4% |
| 2022年度 | 325人 | 99人 | 30.5% |
| 2021年度 | 348人 | 123人 | 35.3% |
マンションリフォームマネジャーの難易度
マンションリフォームマネジャー試験は、建築・リフォーム・マンション管理の実務経験がある人であれば取り組みやすい一方、初学者にはやや専門性を感じやすい試験です。戸建て住宅のリフォームとは異なり、マンション特有の構造、管理規約、共用部分と専有部分の区分、近隣対応などを理解する必要があります。
難しさの理由は、設計・施工・設備・法規・管理規約・資金計画など、マンションリフォームに関する知識を幅広く学ぶ必要があるためです。内装や設備交換の知識だけでなく、管理組合への申請、工事可能範囲、騒音対策、搬入経路、工事中の配慮など、マンションならではの実務的な内容も問われます。
特に重要になるのは、専有部分と共用部分の考え方です。室内のリフォームであっても、配管、躯体、窓、玄関ドア、バルコニーなどは自由に変更できない場合があり、管理規約や使用細則を踏まえた判断が必要になります。この点に慣れていない人は、戸建てリフォームとの違いでつまずきやすいでしょう。
また、設備や構造に関する知識も欠かせません。給排水、電気、換気、断熱、防音、バリアフリーなど、住戸内の快適性や安全性に関わる内容を理解しておく必要があります。デザインや間取り変更だけでなく、建物全体への影響や施工上の制約を考える視点が求められます。
リフォーム会社、設計事務所、マンション管理会社、建築・内装・設備工事に関わっている人は、実務と結びつけながら学習しやすい資格です。一方で、マンション特有の管理ルールや設備制約に触れた経験が少ない人は、実務事例を意識しながら、法規・管理規約・施工上の注意点を整理しておくことが大切です。
マンションリフォームマネジャーの勉強法
マンション特有の制約を理解することが大切です。専有部分と共用部分の違い、管理規約、使用細則、近隣住戸への配慮、工事申請、騒音・振動対策などは、戸建てリフォームとは異なる重要なポイントになります。
特に重点的に確認したいのは、設備と施工に関する内容です。給排水管、電気設備、換気、間取り変更、床材、防音、段差解消、断熱、結露対策など、実際のリフォーム提案や工事管理に関わる分野を整理しておきましょう。
試験対策では、過去問や演習問題を使って出題形式に慣れることが重要です。単に用語を覚えるだけでなく、マンションでリフォームを行う際に「何を確認し、どこに注意し、どのように提案するか」を考えながら解くと理解しやすくなります。
マンションリフォームマネジャー試験は、建築やリフォームの実務経験がある方でも、マンション特有のルールや制約を試験向けに整理する必要があります。基本的には、公式教材で基礎を固め、法規・管理規約・設備・施工・居住者対応を重点的に復習する勉強法がおすすめです。
資格を活かせる仕事
リフォーム会社、住宅設備会社、マンション管理会社、建築設計事務所、工務店、インテリア関連会社、不動産会社、マンション大規模修繕やリノベーション関連の会社などがあります。特に、マンションの間取り変更、キッチン・浴室・トイレなどの設備交換、内装リフォーム、管理組合への確認、住民対応、工事計画の調整などに関わる仕事では、資格で学んだ知識を活かしやすいでしょう。
マンションリフォームでは、専有部分だからといって自由に工事できるわけではありません。床材の遮音性能、配管の位置、構造壁、管理規約、近隣住戸への配慮などを踏まえて計画する必要があります。そのため、マンション特有の制約を理解したうえで提案できる人材は、リフォームやリノベーションの現場で評価されやすくなります。
この資格は、マンションリフォームや住宅リノベーションの分野では実務に結びつきやすい資格です。一方で、マンションリフォームマネジャーだけで就職・転職が大きく有利になるというよりは、建築・リフォーム・インテリア・施工管理などの実務経験と組み合わせて活かす資格です。
マンションリフォームマネジャー試験は、マンションのリフォーム提案や設計、施工管理に関わりたい人に向いています。建築士、インテリアコーディネーター、建築施工管理技士、管理業務主任者、マンション管理士などと組み合わせることで、マンション改修・リノベーション分野でより活かしやすくなるでしょう。

