建築CAD検定とは
建築CADを使って建築図面を作成する技能を評価する実技型の民間資格です。1993年に始まった建築CAD分野の検定で、建築図面を正確に読み取り、CADソフトを使って図面として仕上げる力が問われます。
試験区分は准1級・2級・准2級・3級・4級に分かれており、上位級になるほど実務に近い図面作成能力や、短時間で正確に作図する力が求められます。試験では、建築一般知識を問う筆記中心の内容ではなく、実際にCADを操作して図面を作成する点が特徴です。
建築設計事務所、建設会社、住宅メーカー、工務店、リフォーム会社、インテリア・内装関連の仕事などで活用しやすい資格です。建築CADの基本操作だけでなく、建築図面の読み取りや作図の実践力を身につけたい人に向いており、建築業界を目指す学生や、CADスキルを仕事に活かしたい人に取り組みやすい検定です。
建築CAD検定の基本情報
| 資格種別 | 民間資格 |
| ジャンル | 建築・不動産 |
| 資格区分 | 准1級、2級、3級、4級 |
| 受験資格 | なし |
| 試験日程 | 一般受験は年2回程度、団体受験は年4回程度。実施回や級により異なる |
| 試験方法 | 実技試験。CADソフトを使用して作図する形式 |
| 免除科目 | なし |
| 試験場所 | 一般受験は全国の指定会場。団体受験は認定会場・学校・企業などで実施 |
| 受験料 | 准1級:14,700円/2級:12,500円/3級:11,500円/4級:3,100円 |
| 登録・更新 | なし |
| 問い合わせ | 一般社団法人 全国建築CAD連盟 |
| 関連資格 | CAD利用技術者試験 CAD実務キャリア認定制度 CADトレース技能審査 二級建築士 実践建築模型認定試験 トレース技能検定 |
建築CAD検定の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 4月5日・4月12日・4月19日・4月26日 | 2月2日~2月20日 | 6月中旬 |
| 10月4日・10月11日・10月18日・10月25日 | 8月3日~8月20日 | 12月中旬 |
建築CAD検定の試験内容
准1級・2級・准2級・3級・4級に分かれており、すべて実技試験で実施されます。上位級ほど、単なるトレースではなく、建築図面を読み取り、CADを使って正確に図面を完成させる力が求められます。
准1級は、課題として与えられた建築図面をもとに、建築製図の知識とCAD操作を使って複数の図面を完成させる内容です。2級は、設計者のラフスケッチや既存図面をもとに、建築一般図を作成します。准2級・3級・4級は、与えられた図面をCADで正確にトレースする力が中心です。
出題範囲
准1級
RC造などの建築図面を読み取り、配置図、平面図、断面図など複数の図面をCADで完成させます。
図面の線種、寸法、文字、建具、壁、柱、外構、階段、断面表現などを正確に作図するだけでなく、建物全体の構成を理解し、図面相互の整合性を保つ力が必要です。
2級
ラフスケッチや平面図、断面図、屋根伏図、透視図などをもとに、建築一般図を作成します。
平面詳細図、立面図、断面図など、与えられた条件を読み取りながら図面を完成させる内容です。建築図面の基礎知識、縮尺、寸法、各部材の表現、CAD操作の正確さが問われます。
准2級
建築図面をCADで正確にトレースする内容です。3級よりも作図量や要求される完成度が高く、図面の読み取り、線の使い分け、寸法・文字の配置、部材表現などをより正確に処理する必要があります。
3級
与えられた建築図面をCADでトレースします。階段平面図、通り芯、寸法、柱、壁、間仕切り壁、窓など、建築図面の基本的な要素を正しく作図できるかが問われます。
4級
基本的な建築図面をCADで作図する内容です。線、文字、寸法、簡単な図形など、CAD操作の基礎と建築図面の基本表現を理解しておく必要があります。4級は主に高校などの団体受験で実施されます。
試験科目と出題数
試験は実技試験のみで、CADを使用して図面を作成します。
- 准1級は、4図面を作成する形式で、試験時間は4時間10分です。
- 2級は、建築一般図を2面作成する形式で、試験時間は5時間です。
- 准2級は、与えられた図面をトレースする形式で実施されます。試験時間は3時間です。
- 3級は、4問の図面トレースで構成され、試験時間は2時間です。
- 4級は、基本的な図面作成で構成され、試験時間は2時間です。
合格基準
- 准1級は、4図面すべてを完成させることが合格の目安です。
- 2級は、250点満点中195点程度が合格基準です。
- 准2級は、正解率75%から80%程度が合格の目安です。
- 3級は、200点満点中150点程度が合格基準です。
- 4級は、200点満点中135点程度が合格基準です。
建築CAD検定の受験者数・合格率
2025年度
| 区分 | 合格率 |
|---|---|
| 准1級 | 34.8% |
| 2級 | 61.8% |
| 准2級 | 64.4% |
| 3級 | 68.3% |
| 4級 | 87.2% |
2024年度
| 区分 | 合格率 |
|---|---|
| 准1級 | 19.2% |
| 2級 | 60.1% |
| 准2級 | 58.9% |
| 3級 | 72.2% |
| 4級 | 89.9% |
2023年度
| 区分 | 合格率 |
|---|---|
| 准1級 | 7.1% |
| 2級 | 58.3% |
| 准2級 | - |
| 3級 | 69.7% |
| 4級 | 91.3% |
2022年度
| 区分 | 合格率 |
|---|---|
| 准1級 | 12.5% |
| 2級 | 57.9% |
| 准2級 | - |
| 3級 | 65.6% |
| 4級 | 89.7% |
建築CAD検定の難易度
建築CAD検定は、建築図面の読み取りとCAD操作に慣れている人であれば取り組みやすい一方、建築図面や作図ルールに触れたことが少ない人には難しさを感じやすい試験です。特に上位級になるほど、単にCADソフトを操作できるだけでなく、図面を正確に理解して作図する力が求められます。
難しさの理由は、建築図面特有の表現やルールを理解する必要があるためです。平面図、立面図、断面図、配置図などの見方に慣れていないと、どの線をどのように描くのか、寸法や建具、壁、開口部をどう表現するのかで迷いやすくなります。CAD操作だけでなく、建築図面そのものの基礎知識が重要です。
また、試験では限られた時間内に図面を仕上げる必要があります。操作方法を知っていても、作図スピードが遅いと時間が足りなくなるため、普段からショートカットや作図手順に慣れておくことが大切です。正確さとスピードの両方が求められる点が、独学者にとって負担になりやすい部分です。
下位級では基本的なCAD操作や図面作成の基礎を中心に対策できますが、上位級では建築図面を読み取り、条件に合わせてより実務的な図面を作成する力が必要になります。建築系の学校で学んでいる人や、設計事務所・建設会社などでCADに触れている人は学習を進めやすいでしょう。
初学者の場合は、まずCADソフトの基本操作に慣れたうえで、建築図面の見方や作図ルールを身につける必要があります。合格を目指すには、過去問題や練習課題を使い、制限時間を意識しながら正確に図面を仕上げる練習を繰り返すことが重要です。
建築CAD検定の勉強法
テキストを読むよりも、実際にCADソフトを操作して作図練習を重ねることが重要です。線種、寸法、縮尺、レイヤー、文字、建具、壁、柱、開口部など、建築図面に必要な基本操作を正確にできるようにしておきましょう。
特に重要なのは、作図の正確さとスピードです。試験では限られた時間内で図面を完成させる必要があるため、最初は時間を気にせず丁寧に作図し、慣れてきたら試験時間を意識して練習するとよいでしょう。
上位級では、単にCAD操作ができるだけでなく、建築図面を読み取る力も必要になります。平面図、立面図、断面図などの関係を理解し、課題図面から必要な情報を正しく読み取って作図できるように練習しましょう。
建築CAD検定は、練習量が結果に直結しやすい試験です。基本的には、過去問題や対策問題を繰り返し解き、作図手順を体で覚え、正確さとスピードを高めていく勉強法がおすすめです。
建築CAD検定のテキスト
建築CAD検定試験公式ガイドブック 2026年度版
全国建築CAD連盟公認の公式ガイドブックです。准1級・2級・准2級・3級・4級に対応し、受験要綱、採点基準、過去問題、解法例を確認できます。AutoCAD・Jw_cadに対応しており、初学者の基礎固めにも使いやすい一冊です。
資格を活かせる仕事
建築設計事務所、工務店、ハウスメーカー、リフォーム会社、建設会社、設備設計会社、インテリア関連会社、建築CADオペレーター、設計補助などがあります。特に、設計者の指示をもとに図面を作成・修正する仕事では、資格で学んだCADスキルを実務に活かしやすいでしょう。
建築CAD検定は、建築系のCAD資格の中では比較的分かりやすく、建築図面に特化している点が特徴です。未経験から建築CADオペレーターを目指す人や、建築系の学校で学んでいる学生にとっては、図面作成の基礎力を示す材料になります。
一方で、CADを使えるだけで建築設計の仕事ができるわけではありません。実務では、建築基準法、構造、納まり、施工方法、建材、設計意図の理解なども求められます。資格だけで就職・転職が大きく有利になるというより、CAD操作と建築図面の基礎を学んでいることを示す補助的な資格と考えるとよいでしょう。
建築CAD検定は、建築CADオペレーターや設計補助を目指す人に向いています。仕事でしっかり活かすには、AutoCAD、Jw_cad、Vectorworks、BIMソフトなどの操作経験や、建築士資格、建築実務の知識と組み合わせることが重要です。
資格侍建築CAD検定試験の合格者には、認定級を明記した認定証が交付されますので、就職・転職活動にお役立て下さい。

