保育士試験とは
保育士試験は、保育士資格を取得するための国家試験です。指定保育士養成施設を卒業していない人でも、受験資格を満たして試験に合格すれば、保育士資格の取得を目指すことができます。
試験は筆記試験と実技試験で構成されており、筆記試験では保育原理、教育原理および社会的養護、子ども家庭福祉、社会福祉、保育の心理学、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論などが出題されます。筆記試験の全科目に合格すると、音楽・造形・言語の中から選択する実技試験に進みます。
保育士は、保育所、児童福祉施設、認定こども園などで、子どもの生活や発達を支える専門職です。仕事内容は、子どもの保育だけでなく、保護者支援、生活習慣の援助、遊びを通した成長支援、安全管理など幅広く、子どもと家庭を支える役割があります。
試験は年2回、前期・後期に分けて実施されています。科目数が多いため一度で全科目合格を目指すには計画的な学習が必要ですが、合格科目の免除制度があるため、複数回に分けて合格を目指しやすい試験です。保育の仕事に就きたい人や、子どもに関わる仕事で専門性を高めたい人にとって、重要な資格といえます。
保育士試験の基本情報
| 資格種別 | 国家資格(名称独占資格) |
| ジャンル | 教育 |
| 資格区分 | なし |
| 受験資格 | 大学・短期大学・専門学校などを卒業した者、在学中で所定の単位を修得している者、高等学校卒業後に児童福祉施設などで一定期間の実務経験を積んだ者など。学歴や実務経験により受験資格が異なります |
| 試験日程 | 年2回。前期は筆記試験が例年4月ごろ、実技試験が6月〜7月ごろ。後期は筆記試験が例年10月ごろ、実技試験が12月ごろに実施 |
| 試験方法 | 筆記試験、実技試験で実施。筆記試験はマークシート方式、実技試験は音楽・造形・言語の分野から選択 |
| 免除科目 | 筆記試験の合格科目は一定期間免除。幼稚園教諭免許状所有者などは、申請により一部科目または実技試験が免除される場合あり |
| 試験場所 | 各都道府県の指定試験会場で実施 |
| 受験料 | 受験手数料 12,700円。オンライン申請の場合は決済手数料を含め、クレジットカード決済 13,054円、コンビニ決済 12,975円 |
| 登録・更新 | 合格後、都道府県知事に保育士登録を申請し、保育士証の交付を受けることで保育士として登録されます。保育士資格自体に定期更新制度はありません |
| 問い合わせ | 一般社団法人 全国保育士養成協議会 |
| 関連資格 | 地域限定保育士 ベビーシッター チャイルドマインダー 生涯学習コーディネーター 実践保育力検定 保育英語検定 絵本専門士 |
保育士試験の試験日
2026年度試験
| 試験日 | 申込期間 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 前期筆記試験:2026年4月18日・4月19日 前期実技試験:2026年6月28日 | 1月8日~1月28日 | 筆記:6月2日 実技:7月29日 |
| 後期筆記試験:2026年10月24日・10月25日 後期実技試験:2026年12月13日 | 7月3日~7月23日 前期実技受験者:7月29日~8月10日 | 公式発表後に確認 |
保育士試験の試験内容
保育の原理、子どもの発達、子ども家庭福祉、社会福祉、保育実践、栄養、健康、安全、保育所保育指針などが問われます。筆記試験で保育に関する幅広い知識を確認し、実技試験では音楽・造形・言語のいずれかを通じて、保育場面で必要な表現力や子どもへの関わり方が評価されます。
出題範囲
筆記試験の出題範囲は、保育原理、教育原理、社会的養護、子ども家庭福祉、社会福祉、保育の心理学、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論です。
保育原理では、保育所保育指針、保育の目標、保育内容、保育士の役割などが問われます。教育原理・社会的養護では、教育制度、教育思想、児童福祉施設、社会的養護の仕組みなどが中心です。
子ども家庭福祉や社会福祉では、児童福祉、家庭支援、福祉制度、相談援助などが出題されます。保育の心理学では、子どもの発達や学び、保護者支援に関する内容が問われます。
子どもの保健、子どもの食と栄養では、健康管理、疾病、感染症、事故防止、栄養、食育などが対象です。保育実習理論では、保育内容、音楽、造形、言語表現、保育実践に関する知識が問われます。
試験科目と出題数
筆記試験は9科目で実施されます。保育原理、子ども家庭福祉、社会福祉、保育の心理学、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論は各20問、教育原理と社会的養護はそれぞれ10問ずつ出題されます。
筆記試験の全科目に合格すると実技試験に進みます。実技試験は、音楽に関する技術、造形に関する技術、言語に関する技術の3分野から2分野を選択して受験します。
音楽では課題曲の弾き歌い、造形では保育場面を想定した描画、言語では指定された課題に基づく素話が行われます。
合格基準
筆記試験は、各科目で6割以上の得点が必要です。20問の科目は12問以上、10問の科目は6問以上が合格の目安になります。教育原理と社会的養護は、それぞれ6割以上を取る必要があります。
実技試験は、選択した2分野それぞれで50点満点中30点以上が必要です。筆記試験と実技試験の両方に合格することで、保育士試験の合格となります。
保育士試験の受験者数・合格率
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 58,767人 | 15,475人 | 26.3% |
| 2023年度 | 66,625人 | 17,955人 | 26.9% |
| 2022年度 | 79,378人 | 23,758人 | 29.9% |
| 2021年度 | 83,175人 | 16,600人 | 20.0% |
| 2020年度 | 44,914人 | 10,890人 | 24.3% |
保育士試験の難易度
福祉・教育系資格の中ではやや難しめです。受験資格を満たせば養成校に通わず受験できますが、筆記試験の科目数が多く、さらに実技試験もあるため、独学で目指す場合は学習範囲の広さが負担になりやすい試験です。
この試験では、保育原理、教育原理、社会的養護、子ども家庭福祉、社会福祉、保育の心理学、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論などが問われます。子どもと関わる仕事に関心がある人でも、福祉制度、児童家庭支援、栄養、保健、心理、教育などを幅広く理解する必要があります。
特に得点が安定しにくいのは、筆記科目が複数に分かれている点です。全体で高得点を取ればよい試験ではなく、各科目で基準を満たす必要があるため、得意科目だけで補いにくい特徴があります。教育原理や社会的養護、社会福祉などは制度や専門用語が多く、初学者がつまずきやすい分野です。
実技試験では、音楽、造形、言語などから選択して、保育現場を想定した表現力が見られます。知識を覚える筆記とは違い、子どもに伝わるように表現できるか、保育者として自然に関われるかが大切になります。ピアノや絵、読み聞かせに苦手意識がある人は、筆記とは別の難しさを感じやすいでしょう。
保育補助、子育て支援、幼児教育、福祉施設などに関わった経験がある人は、学習内容を具体的にイメージしやすい試験です。一方で、保育や福祉の経験が少ない人は、科目数の多さと実技への対応で負担を感じやすく、簡単な資格とはいえません。
保育士試験の勉強法
保育原理、教育原理、社会的養護、子ども家庭福祉、社会福祉、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育の心理学、保育実習理論など、幅広い科目をバランスよく学ぶことが大切です。まずは全科目の出題範囲を確認し、暗記中心の科目と、子どもの発達や保育場面を理解しながら学ぶ科目に分けて整理すると学習しやすくなります。
勉強を進める際は、最初からすべてを完璧に覚えようとするよりも、テキストで全体像をつかみ、過去問でよく出る分野を確認しながら知識を固める方法が効果的です。特に、社会福祉、子ども家庭福祉、教育原理、社会的養護は制度や専門用語が多く、混同しやすいため、法律名、支援制度、施設の種類、相談機関の役割を整理しておくと理解しやすくなります。
また、保育士試験では、単なる用語暗記だけでなく、子どもの発達段階や保護者支援、保育現場での対応を考える力も求められます。乳幼児の発達、遊び、食事、健康、安全管理、虐待対応、障害のある子どもへの支援などは、実際の保育場面をイメージしながら学ぶと知識が定着しやすくなります。
実技試験を受ける場合は、筆記試験の合格後に慌てないよう、音楽・造形・言語の中から自分に合う分野を早めに選び、少しずつ練習しておくと安心です。試験対策では、過去問を繰り返し解き、間違えた部分は「制度の理解不足」「発達の整理不足」「保育場面の判断」「科目ごとの暗記不足」のどこでつまずいたのかを確認すると復習しやすくなります。知識を「子どもの発達を理解する」「保育の環境を整える」「家庭や地域と連携する」「安全に支援する」という流れで整理すると、試験本番でも応用しやすくなります。
保育士試験のお勧めテキスト
保育士完全合格テキスト 上・下
保育士試験の筆記科目を体系的に学べる定番テキストです。保育原理、教育原理、社会的養護、子ども家庭福祉、保育実習理論などを幅広く確認できます。初めて受験する人の基礎固めに向いています。
保育士試験 過去問解説集
本試験形式に慣れたい人向けの問題集です。実際の過去問を解きながら、出題傾向や苦手科目を確認できます。科目数が多い試験なので、テキスト学習後に知識を定着させる仕上げ教材として使いやすいです。
保育士試験 一問一答
すき間時間の復習に使いやすい一問一答形式の教材です。法律、制度、人物名、保育所保育指針、発達、栄養、保健などの暗記項目を短時間で確認できます。直前期の総復習にも向いています。
資格を活かせる仕事
保育士資格を活かせる代表的な職場は、保育所、認定こども園、企業主導型保育施設、小規模保育園、院内保育所、児童養護施設、乳児院、障害児入所施設、児童発達支援、放課後等デイサービス、学童保育、子育て支援センターなどです。乳幼児の保育だけでなく、家庭環境に課題を抱える子どもや、発達に支援が必要な子どもと関わる仕事にも活かせます。
保育士の仕事では、食事、睡眠、排泄、着替え、遊びなどの日常生活を支えながら、子どもの発達や心の成長を見守ります。子ども一人ひとりの年齢や発達段階に合わせて関わる力に加え、保護者とのコミュニケーション、記録作成、行事準備、職員同士の連携も重要です。
就職・転職においては、保育・児童福祉分野で非常に実用性の高い資格です。保育士資格が応募条件になる求人も多く、保育園だけでなく、児童福祉施設や発達支援分野でも活用できます。一方で、資格を取得しただけでどの職場でもすぐに活躍できるわけではなく、実務では子どもへの接し方、安全管理、保護者対応、発達への理解、体力や観察力も求められます。
保育士試験は、子どもの成長や家庭支援に関わりたい人に向いています。幼稚園教諭免許、社会福祉士、児童指導員、放課後児童支援員、発達支援関連の資格や実務経験と組み合わせることで、保育・児童福祉・子育て支援分野でさらに仕事の幅を広げやすくなるでしょう。
受験者の口コミ評判
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2年かけて取得
4.5 つうじ 30代パート
通信教育で科目を学習し、都道府県の科目別試験を受け、2年かけて取得しました。実技では絵本の読み聞かせや、「七夕」をテーマに、画用紙と折り紙で表現する試験もありました。保育士取得のメリットとしては、私は結婚出産を経て、今保育士として働いていますが、今は保育士不足もあって求人が多いです。
パートでも正職員でも求人があり、自分にあった形で仕事を選ぶことができます。子どもを預かる責任は重いですが、何より子どもたちの笑顔にパワーがもらえるお仕事です。(2019年4月)
覚えるのが大変
3.5 さとみつ 20代会社員
保育士の試験を受けるきっかけは資格がないと結婚してからは就職が難しい事と妹が資格を取って私に勧めてくれたからです。別に学校に行かなくても自分で出来るのがメリットです。教科は8科目で実技はお話とピアノでした。幸いエレクトーンを習っていたのでピアノの実技はバイエル程度だったのであまり苦にはなりませんでした。
1年に1回試験があり3年間で取得出来れば良いので先ずは1年で6科目を取得2年目に2科目を取得しました。
試験の難易度は教科が多いので覚えるのが大変だった様な気がします。(2018年12月)
あまり特にならない資格
1.0 神風 20代主婦
大学卒業資格以外特に、資格取得に必要な物がなかった事、手に職を付け、永遠に使える資格が欲しかった事、国家資格を若いうちに1つでも取得したい、この全ての願いを叶えてくれて手軽に取得できる資格が保育士の資格だった為に受験しました。
試験自体は難しく無く、資格が取得されても、本気で保育士の仕事に就く予定が無ければ、持っていてもあまり得にはならない資格でした。(2017年8月)


2年かけて取得
覚えるのが大変
あまり特にならない資格